もとは大社、烏帽子石の地に鎮座、牛頭天王を祀る社か
天神社 広島県福山市蔵王町天神前3056
[住所]広島県福山市蔵王町天神前3056
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天神社(てんじんじゃ)は、広島県福山市蔵王町天神前にある神社。山陽自動車道と国道182号線が交わる近く。182号線の天神原の交差点を東進。御朱印の有無は不明。

延喜式』巻9・10神名帳山陽道神 備後国 深津郡「須佐能袁能神社」に比定される式内社(小社)の論社。

創祀年代は不詳。もとは素盞嗚神社と呼ばれた。御祭神は、素盞嗚尊。牛頭天王の天王社から、現社号になったか。『福山志料』『西備名区』などには、少名彦名命とある。

江戸時代後期の『西備名区』には、「此の神を祀る所間々あり。北野天神とちがひ、祭神異なり、故に“てんしん”と澄みてとなふなり」とある。

現在は小祠だが、もとは大社だったようで、烏帽子石という地に鎮座した。蔵王山山中の烏帽子岩を御神体とする磐座信仰が当社の原点という見解もある。

江戸時代前期の元禄年間(1688年-1704年)、祭日に闘争があり、血に穢れた。そこで社殿を建て替えるため、現社地に仮殿を建てたところ、社人と僧とが論争となり、そのままになったという。

この神は、貧しい者をことのほか憐れみ、鎮座地の山から薪を採っても祟ることはなかったという。社人や村役人が、それを制すれば怒りたけ狂ったともいわれている。

『福山志料』『備後略記』『備後国名称巡覧大絵図』で式内社「須佐能袁能神社」に比定している。他の論社に、市内新市町神辺町の素盞嗚神社、東深津町の王子神社がある。

平成元年(1989年)、一間流造の本殿が再建された。同年の銘がある鳥居・石燈籠が境内には立つ。

【ご利益】
厄災除け、病魔退散、無病息災
天神社 広島県福山市蔵王町天神前
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