天平年間に箱ヶ岳から光差し降臨して奉斎、境内は一夜の森・椿の森
波古神社 福井県三方上中郡若狭町堤18森脇16
[住所]福井県三方上中郡若狭町堤18森脇16
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波古神社(はこじんじゃ)は、福井県三方上中郡若狭町堤にある神社。小濱線の上中駅の北2キロ強、県道246号線近くに鎮座する。近隣に曹洞宗の桂雲寺がある。御朱印の有無は不明。

延喜式』巻9・10神名帳 北陸道神 若狭国 遠敷郡「波古神社」に比定される式内社(小社)。近代社格では村社。

創立は奈良時代の天平年間(729年-749年)と伝わる。北西背後に標高402.2メートルの箱ヶ岳があり、当時は伊屋の谷の峯と呼ばれていた。

その峯から夜、光が指していた。この光は一つの箱の中より指していたので、これを御神霊の降臨として、この山を箱ヶ嶽(箱ヶ岳)と名付けた。

そこで里人は、その山麓に鎮守として、当社を創建したという。その際は、箱明神社とも呼ばれた。

社殿が完成した時、周囲の茂った樹木が一夜のうちに 生じたので「一夜の森」と称された。椿の木が多いことから、「椿の森」とも。

御祭神は波邇夜須毘古命。山野田園の土壌を司る神とされる。他に、神明宮(天照大御神)、大将宮(伊弉冊ノ尊)を祀る。本殿には諸大明神の神額が掛かる。

鎌倉時代初期、源頼朝が島津右衛門次郎忠季を送り込み、箱ヶ岳に堤城を築き、その後内藤五郎左衛門(佐波の守国高)が箱ヶ岳城を築いた。

そのため、今もその堀跡などを残している。昭和8年(1933年)頃まで、当社の御神燈を分かち、堤区民による山頂での「雨乞い」の祈願が行われた。

明治元年(1868年)6月、従三位の箱神社から現社号に改称。式内認定され、村社に列し、大正4年(1915年)1月16日、神饌幣帛料供進社に指定された。

例祭は4月第1日曜日。大将宮祭が7月24日、境内社の牛頭天王神(須佐之男命)を祀る祇園社(広峯神社)の祭典である祇園祭が7月下旬。

境内社に、天満宮(菅原道真公)、田中権現社(六所大明神)、山神社(大山津見ノ神。山神宮祭は1月9日)、不動宮(不動明王尊。不動宮祭は7月28日)がある。

また、出雲丹後の狛犬に守られた奥ノ院(波邇夜須毘売ノ神)がある。他に狛犬は、玉垣前に大正4年(1915年)建立のものと、玉垣内に安置されている。

【ご利益】
五穀豊穣、祈雨・天候、開運招福、安産
波古神社 福井県三方上中郡若狭町堤
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