笹森古墳上に鎮座、藩主織田氏の崇敬、春秋例祭に太々神楽
[住所]群馬県甘楽郡甘楽町福島1350
[電話]0274-74-2490

笹森稲荷神社(ささもりいなりじんじゃ)は、群馬県甘楽郡甘楽町福島にある神社。国道254号線を県道197号線で南下、最初の信号の交差点を西進する。御朱印の有無は不明。

笹森古墳上に鎮座する。古墳は、二重に堀を廻らせた全長100メートルの前方後円墳で、6世紀後半の様式とされる。県の史跡に指定されている。

笹の森神社とも呼ばれる当社は、平安時代の天長2年(825年)の創建と伝わる。御祭神は、倉稲魂神豊城入彦命など8柱。

江戸時代になると、小幡藩が立藩、当初の陣屋が下仁田街道(姫街道)の福島宿にある稲荷山東学院の境内に設置され、東学院が当社の別当を担った。

そのため、歴代小幡藩主は当社を篤く信仰するようになり、特に2代藩主織田信良は安産祈願を行い、後に3代藩主となる織田信昌が誕生したことから領内の鎮守とした。

小幡陣屋の工事の際は、安全を祈願するために神楽を奉納した。これが現在例祭で行われている当社太々神楽の起源とされる。

幕末から明治初めにかけて、この太々神楽は一時中断していたが、明治9年(1876年)、吉井町神保の辛科神社より、白倉の白倉神社とともに太々神楽が一緒に伝授された。

氏子や関係者の努力によって、明治11年(1878年)、当社の太々神楽は再興された。往時は88座あったと伝えられるが、現在残っているのは27座。

座の主なものには、御祭神・御巫女・天御中主命・高皇産霊命・神皇産霊命・須佐之男命・伊佐那伎命・伊佐那美命など。

当社の社殿は江戸時代中期の明和8年(1771年)に再建されたもので、山門は入母屋、桟瓦葺、3間三戸、八脚楼門、外壁は朱色、上層部に外壁は無く吹き放し。

拝殿は木造平屋建て、切妻、桟瓦葺、妻入、間口3間、正面切妻1間向拝付。本殿は一間社流造、銅瓦棒葺、向拝などに精緻な彫刻が施され極彩色で彩られている。

もとは毎年3月の初午の日を例大祭としていたが、現在は3月第2日曜日。例祭では神楽や巫女舞などが奉納され、境内では植木市が開かれ、多くの露店で賑わう。

その賑わいは北関東一とも称される。また、前日の土曜日は、神幸祭として山車の巡行や稚児行列などが華やかに行われる。町に春を告げる風物詩となっている。

この例祭期間中、笹森古墳の石室が公開される。後円部中段にある被葬者不明の石室で、羨道・玄室を合わせて全長16メートル、玄室の高さは2.5メートル。

先述の太々神楽は、 町の重要無形民俗文化財に指定されているが、この3月の例祭の他、10月第3日曜日の秋季例祭でも奉納される。

【ご利益】
五穀豊穣・商売繁盛、事業成功、地域安全
笹森稲荷神社 群馬県甘楽郡甘楽町福島
【関連記事】
群馬県の神社 - 本サイトに掲載されている神社で、群馬県に鎮座している神社の一覧