仲哀天皇ゆかりの地、12月に「みやあげ」、ツガの巨樹
気比神社 福井県敦賀市刀根21-8
[住所]福井県敦賀市刀根21-8
[電話]0770-27-1377

気比神社(けひじんじゃ、氣比神社)は、福井県敦賀市刀根にある神社。近代社格では村社。北陸自動車道、県道140号線の小刀根トンネル近くに鎮座する。御朱印の有無は不明。

第14代仲哀天皇が三韓に親征しようと、敦賀に幸行した際、当地の久々坂峠を登臨するため、山路を開かせ、行在所を建立した。

それが当社の起源。今に至るまで元ノ宮と称する地籍があり、当社は氣比神宮の本宮、元宮であるとの伝えもある。

いずれのかの時期に現在地に遷座した。現在地は、そう広くはない社地だが、赤い鳥居が印象的で、手水舎と鐘楼、社殿があり、三対もの狛犬がある。

御祭神は、仲哀天皇・神功皇后日本武尊素佐之男尊大山祇命。神紋は、右三巴・十六菊・五瓜に唐花。

このうち、大山祇命は山神神社の御祭神だと思われる。山神神社は、『延喜式神名帳』にある「伊多伎夜神社(越前国・敦賀郡)」に比定される式内社(小社)の参考社。

この山神神社は、古くは刀根パーキング・エリアの北の伊多伎夜谷にあった。土地の人は今、その谷を「板木谷」と称している。

資料によっては境内社ともされる場合があるが、現在は当社本殿に合祀されている。式内社「伊多伎夜神社」の他の論社に、鯖江市鳥井町の春日神社がある。

当社の例祭は12月1日・2日。現在では12月第1日曜日。いわゆる刀根の秋祭りで、霜月祭り、あるいは「みやあげ」とも呼ばれる。

祭りの前夜、東西の両頭屋の家で、部外者立ち入り禁止のもと、「御供蒸し」と呼ばれる儀式が行われる。

これに携わるのは、ゴクムシと呼ばれる頭屋の近い血縁にあたる年配女性、祭りの監督や時間の調整などのモチトリ2人、祭りの中心で、頭屋の身内の男の子であるショードン。

蒸しあがった御供を新しいムシロの上で冷やしほぐしてから、楕円形の曲げ物のおひつに入れ、ムシロで包む。

モチトリがショードンを抱え上げ、このムシロに3回尻もちをつかせる。ショードンはツカミという藁で作った鍋掴みのようなものを腰に下げている。

御供はムシロで包まれたまま、頭屋宅の床の間に吊るされる。御供蒸しがすむと、太鼓を打って区内を回り、御供が蒸しあがったことを知らせる。

また、棒状の杵で盛大に餅つきをし、白い牛の舌餅は平たい楕円形に丸め、小豆を入れた赤餅は短冊形に切り、当社にお供えし、五穀豊穣を祈る。

東西の頭屋の制度を現在まで保持し、独自の豊富な内容を残していることから、春祭りとあわせて市指定の無形民俗文化財になっている。

当社境内には、樹高45メートルにもなるツガがある。目通り幹囲4.1メートル。市の天然記念物に指定されている。

【ご利益】
事業成功、安産、交通安全、地域安全
気比神社 福井県敦賀市刀根
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