風土記所載の説話、旧地付近に二つの巨石の女夫岩遺跡
大森神社 島根県松江市宍道町佐々布字大森738
[住所]島根県松江市宍道町佐々布738
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大森神社(おおもりじんじゃ)は、島根県松江市宍道町佐々布にある神社。本社は、大字佐々布字大森の地、宍道駅の南方、佐々布川辺にある。御朱印の有無は不明。

『出雲国風土記』にある「宍道社」、『延喜式神名帳』にある「宍道神社/完道神社(出雲国・意宇郡)」に比定される式内社(小社)の論社。近代社格では村社。

創祀年代は不詳。もともと神籬ヶ坪という所にあったのを、中世同地より約1キロ川上の大樹の茂る現在地に移転して大森大明神とした。

御祭神は、主祭神が大穴牟遅命須佐之男命少名彦神事代主命安閑天皇・出雲建雄神を配祀し、建御名方神誉田別命伊弉册尊国之常立神天御中主尊を合祭する。

出雲建雄神は珍しい。奈良県天理市布留町の石上神宮の境内社である出雲建雄神社で祀られている。当社の例祭は10月19日。大祓祭が8月20日、歳旦祭が1月3日。

社殿の広壮さ、社頭の壮麗さは町内にその比を見ないという。本殿は大社造変態で、間口2間、奥行2間。弊殿は間口2間で奥行2間、拝殿は間口4間、奥行2間。

他に、間口2間3尺、奥行2間の随神門がある。随神門の中には彩色された狛犬が安置されている。

当社より佐々布川沿い約1キロほど川下、宍道町南方、広島街道に沿った山寄りに、井の猪岩あるいは女夫岩と呼ばれる同形の岩が二つ並び、中央に小祠を祀っている。

一つの長さは2間7尺、一つは2間5尺、高さはともに8尺、周りは4間1尺と4間である。夫婦岩とも。太古、大神が猪を追い詰めた際、その猪が石となったものと伝える。

『出雲国風土記』には大己貴命が犬を連れて、猪を追っていた時、猪も、猪を追っていた犬も、石になったという話がある。このことを言っているのだろうか。

あるいは、大穴牟遅命と猪、そして石ということであれば、『古事記』にも記載されている、兄である八十神による陰謀で大穴牟遅命が命を落とす説話もある。

ただし、『古事記』記載の説話の舞台は、鳥取県西伯郡南部町の赤猪岩神社ではある。

ともかく、この二つの巨石は、女夫岩遺跡として県指定遺跡。古墳時代中期から後期に祭祀に使われたと思われる土器片が出土している。当社の旧地付近ということになる。

なお、式内社「宍道神社/完道神社」の他の論社に、町内白石の石宮神社、宍道の氷川神社が合祀した三崎神社がある。

【ご利益】
縁結び、病気平癒、厄災除け
大森神社 島根県松江市宍道町佐々布
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