風土記記載、式内の奈良朝創立の高野宮、出雲の四祈願所
内神社 島根県松江市大垣町746
[住所]島根県松江市大垣町746
[電話]0952-88-3254

内神社(うちじんじゃ)は、島根県松江市大垣町にある神社。髙野宮(たかのみや)とも。宍道湖の北にある高野宮駅から北に3キロほど。御朱印の有無は不明。

『出雲国風土記』にある「宇智社」に比定される。『延喜式神名帳』にある「内神社(出雲国・秋鹿郡)」に比定される式内社(小社)。近代社格では県社

社伝によれば、奈良時代初期の霊亀元年(715年)、高野山山頂に光輪が出現し、神垣を結んだのが創始だという。

養老元年(717年)に現在地である中腹に遷座したという。また、一説には大野氏築城に際し、遷座したとも。

大野氏が本宮山城を築城したのは南北朝時代とされる。ともかく、遷座により、高野山は本宮山と改称した。

通称の高野宮も、高野山に鎮座していたことによる。また、御祭神である下照姫命の別名、高姫命の宮という意味でもある。

他にも高宮、足高大明神、足鷹大明神とも称された。式内比定の根拠は、当地が内野、あるいは阿内谷という地名だったことによる。

もう1柱の御祭神は和加布都努志命。大己貴命の子とされ、出雲各地を巡行し、当地では猪狩りをしたという

『古事記』に記載がなく、よく分からない神だが、神名から経津主命との関連も指摘される。ただし、大己貴命の子との関連が遠のく。

あるいは、鳥取県米子市橋本の阿陀萱神社で祀られる阿陀加夜奴志多岐喜比売命(多岐喜姫命)とする説もある。

そうすると、大己貴命の娘たち、2柱の女神を祀る社、ということになる。大野郷中の総氏神で、往古より一社一例の神社とされた。京都聖護院宮にも崇敬された。

ともかく、古来、別格扱いの宮とされ、杵築佐陀の支配を受けず、江戸時代には、杵築・日御碕・佐陀とともに国内の四祈願所の一つだった。

明治5年(1872年)、郷社に列し、昭和2年(1927年)には県社に昇格した。現在地には二の鳥居があるが、一の鳥居は遠く高野宮駅近くにある。

例祭は10月17日。御茣蓙替神事(御座替神事)、三六膳神事、七草粥神事などが今に伝えられている。相撲も奉納され、境内には土俵がある。

大赦造りの本殿は幕末の安政2年(1855年)改築にかかる。それ以前のものも含め、棟札が13枚現存している。県指定文化財。

境内社として、本殿左の摂社が三保神社(猿田彦命事代主命・三保津姫命・鈿女命倉稲魂命木花開耶姫命)。

本殿右の摂社が芦原神社(素盞嗚尊稲田媛命・大己貴命・少彦名命思兼命五十猛命)。他に、稲荷社、霊神社などがある。

【ご利益】
子宝、安産、子育て、家内安全、地域安全
内神社 島根県松江市大垣町
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