社名は瓊瓊杵命誕生にちなむ、山陰地方に珍しい天孫降臨伝承
壹宮神社 鳥取県西伯郡大山町上萬1124
[住所]鳥取県西伯郡大山町上萬1124
[電話]0859-53-4060

壹宮神社(いちのみやじんじゃ、一宮神社・壱宮神社)は、鳥取県西伯郡大山町上萬にある神社。近代社格では郷社。参拝すれば、御朱印を頂ける。

創立年代は不詳。郡中の古社で、古来「一宮大明神」と称し、往昔より神田が寄付され、江戸時代前期の元和・寛永(1615年-1643)の頃も旧格に準じた崇敬を受けた。

社伝によると、一ノ宮と称する由来は、「天照大御神の命により天忍穂耳命が天降らんとしていた時、皇孫瓊瓊杵命が御誕生された事によ」ると口碑に伝わる。

神祠創設の始まりは往古、この地の開拓が始まった頃と同時期とされ、人々は迎尊して一ノ宮と号したと伝わる。

主祭神は、天忍穂耳命(正勝吾勝勝速日天忍穂耳命)・下照姫命(稚国玉下照比売命)・瓊瓊杵命(天饒石国饒石天津彦火瓊瓊杵尊)。

一説に、万幡豊秋津師比売命菅原道真も併せて祀るとも。当社由緒にもある通り、天孫降臨と縁深い神々が多い。

出雲で国が譲られたのだから、その近くに降臨しなければ辻褄が合わない、という指摘がある。実際の降臨地は九州であり、あるいは大和国にも伝承が残る。

しかし、出雲の山陰地方にはそれらしい伝承はほとんど見られない、とされていたが、当社はその唯一の例外と言いえるか。

また、当地では、天忍穂耳命も降臨したと伝わる。いきなり天孫降臨となるよりは、天子降臨の方がスムーズだという指摘とも、当社伝承は合致する。

ともかく、下照姫命は大国主命の娘で、昔から子授け、安産の神として知られ、各地から多くの参詣者で賑わっているという。

下照姫命は、天津神が葦原の中つ国の国譲りを進めようとして派遣した天若日子の妻でもある。つまり、天若日子は高天原を裏切り、大国主命に婿入りした。

天若日子はこの裏切りにより、高天原に暗殺され、高天原の国譲り計画を加速させ、天孫降臨へとつながる。その意味で、下照姫命も天孫降臨と深く結びつく。

大正5年(1916年)、旧高麗村内にあった無格社6社を合祀、現在まで合祀神は、天照大神・稚日女命少彦名命素戔嗚命表筒男命中筒男命底筒男命・大己貴命・倉稲魂命罔象女命

本殿裏には、「すくね塚」と呼ばれる経塚があり、経筒・和鏡が出土し、社宝として保存されている。例大祭は、4月21日。

境内社として、社殿右手に、杵築神社・澤形神社・宮田神社と表示した小祠があり、素盞鳴尊との神名標がある。

なお、当社の兼務社に、唐王神社・稲光神社・野田神社がある。

【ご利益】
安産、子宝、子育て、諸願成就(公式HP
壹宮神社 鳥取県西伯郡大山町上萬
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