奈良朝の勧請、頼朝の相模六十一社、白龍伝説と雨乞い神事
龍藏神社 神奈川県厚木市飯山5526
[住所]神奈川県厚木市飯山5526
[電話]046-241-1633

龍藏神社(りゅうぞうじんじゃ、龍蔵神社)は、神奈川県厚木市飯山にある神社。近代社格では村社。御朱印の有無は不明。

飯山温泉郷の、飯山観音背後の標高284メートル、白山の麓に鎮座する。社前には小鮎川が流れる。

白山山頂の白山池には白龍が棲む伝説があり、小鮎川で雨乞いの禊が行われた。奈良時代の神亀2年(725年)、行基により勧請されたのが当社の起源と伝えられる。

かつては、龍蔵権現社と呼ばれた飯山の鎮守。内部には、いずれも飯山の大工で「大工西海杢兵衛重信」「大工杢兵衛重吉」の墨書があるという。

井山神社龍蔵大権現とも。平安時代末期の治承4年(1180年)、源頼朝の願により、神祗官(白河殿)奉幣の相模国六十一社に張った。

安土桃山時代の天正19年(1591年)、徳川家康から社領2石の朱印状を賜った。江戸時代中期の宝暦元年(1751年)、拝殿を再建、天保4年(1751年)には本殿を再建した。

明治2年(1869年)、朱印地上地となり、明治6年(1873年)7月30日には足柄県において村社に列した。この頃、火災に遭った白山神社を合祀。

飯山の七不思議、白龍伝説で知られるこの白山神社は白山の山頂付近の尾根道に鎮座。昭和55年(1980年)、復社した。現在は当社の境内社である。

明治40年(1907年)4月30日、神饌幣帛料供進社に指定された。戦後になり、昭和34年(1969年)に覆殿、拝殿を修復した。

主祭神は、級長津彦命・級長戸辺命。現在までに、大日霊命伊弉諾命応神天皇も併せて祀る。宝物として、古瓶2個、古鏡2個がある。

例際は8月第1日曜日で祈雨祭神事がある。当日社頭に集合し、小鮎川の川原に下りて水垢離をとり、筧ケ沢、通称、白山の山上の池の水を浚うのが古例。

山上の池、つまり白山池は、どんな干ばつの時でも、枯れることがないといわれる聖なる池。

当地の白龍伝説は、日照り続きのため、麓の小鮎川で雨乞いの行事をした農民たちは、白山に登って白山池の水をかい出した。

すると、池に棲む飯山観音の化身「白龍」が、水を求めて舞いだし、雷鳴とともに相模平野に三日三晩の雨を降らせ、農民たちに豊年満作をもたらせたという。

飯山の伝統芸能「白龍太鼓」は、この伝説を伝えているものといわれている。

他に、1月3日が歳旦祭で新年祭、3月25日に近い日曜日が祈年祭で春祭り、11月15日に近い日曜日が七五三祝報告祭、11月23日が新嘗祭で秋祭り、12月31日が大祓式。

本殿は流造で、柿葺。覆殿は神明造。拝殿は入母屋造で亜鉛葺。神楽殿は寄棟で亜鉛葺。他に手水舎などがある。昭和15年(1940年)建立の狛犬がある。

石造地蔵菩薩坐像がある。頭がなくなってしまっているが、室町時代の文明6年(1474年)造立の銘がある。もとは飯山寺(観音堂)に置かれていたという。

また、「ここに居れば ここの上なり 天の川」というつぶね法師句碑がある。寺子屋の教師だったつぶね法師は、幕末の嘉永4年(1851年)、金剛寺前の白地蔵堂で没した。

なお、当社は市内温水西の吾妻神社などを兼務している。

【ご利益】
祈雨・天候、五穀豊穣、事業成功、開運招福
龍藏神社 神奈川県厚木市飯山
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