尾津の一松の候補地の一つ、松保存の覆蓋、尾津崎の石碑
草薙神社 三重県桑名市多度町御衣野
[住所]三重県桑名市多度町御衣野
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草薙神社(くさなぎじんじゃ)は、三重県桑名市多度町御衣野にある神社。尾津神社とも呼ばれる。御朱印の有無は不明。

『延喜式神名帳』にある「尾津神社二座(伊勢国・桑名郡)」に比定される式内社(小社)の論社。

創建年代は不詳。当地は、倭建命が東征の際立ち寄り、松の木の下で食事をし、松の木に太刀(剣)をかけて置き忘れた地。

さらに、倭建命が伊吹山で瀕死の重傷を負い、敗走した時にやはり当地に寄り、松の木に置き忘れた太刀がそのまま残されていたことを確認した地。

『古事記』にも、倭建命の下記の歌、いわゆる「尾津前なる一つ松」、尾津の一松の歌が掲載されている。
尾張に直に向える 尾津前なる一つ松吾兄を 一つ松人に在りせば 太刀佩けましを衣着せましを 一つ松吾兄を
現在でも日本は、忘れ物や落し物の発見確率が世界の中で極めて高いことで知られるが、倭建命のこの故事は、その走り。

人のものは神のもの、粗末にしてはならない、という世界中では絶対に確認できない独特の思想が、今日の日本のそうした美徳につながっているのかもしれない。

さて、当社の御祭神は倭建命。『延喜式神名帳』にある二座には合致しない。倭建尊の子孫と称する草薙氏が現在まで管理にあたっている。

当社はもともと八剣社と称した。御衣野の地は往古野代郷に属しており、尾津郷ではないので、式内論社とする説に否定的な見方もある。

日本武尊御遺蹟尾津崎の石碑がある。また、境内には、故事にある松が枯損したため、覆蓋を設け、保存されている。

境内に、昔は舟の舵に利用したというサキシマスオウの磐根と同じような樫の木が見つかっている。サキシマスオウは暖かく雨の多い所の気水域に育つ。

当社地も昔は海岸に近かったとされており、サキシマスオウの育成に合致したものと考えられる。近くには、小濱神社、舟着社なども残る。

なお、当社は尾津の一松故事の候補地の一つだが、他の候補地および式内論社として、戸津小山の尾津神社。この両社では、倭建命の子である足鏡別命も祀られているのが、当社との違い。

【ご利益】
厄災除け、旅行・交通安全
草薙神社 三重県桑名市多度町御衣野NO2
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