創立1200年、10月第2土曜日におまんと祭り、江戸前期からの射放弓
[住所]愛知県高浜市八幡町4-1-18
[電話]0566-52-6904

吉浜八幡社(よしはまはちまんしゃ、吉濱八幡社)は、愛知県高浜市八幡町にある神社。近代社格では村社。単に八幡社とも、吉浜の八幡社とも。御朱印の有無は不明。

名鉄三河線吉浜駅の東北東約350メートルに鎮座。創建年代は不詳だが、創立1200年あまりとあるので、平安時代初期には存在していたか。

もとは葭濱正八幡宮と称し、後に吉濱正八幡宮に改め、江戸時代中期の寛政4年(1792年)に現社号に改称した。

明治5年(1872年)10月、村社に列し、明治40年(1907年)10月、神饌幣帛供進社に指定された。御祭神は誉田別命

例祭は10月12日。現在は10月第2土曜日か。おまんと祭りで、丸太で組んだ円形馬場の中を、鈴や造花を背負って疾走する馬に法被に地下足袋姿の若者が飛びつく。

人馬一体となって駆け抜けていく勇壮な祭礼。高浜おまんと祭りの一つで、一連の祭りの中では、春日神社のものに続いて行われる。

さらに当社では、吉浜神明社とともに、350年以上の伝統がある射放弓(しゃほうきゅう)の神事が行われる。

裃に大小の刀を差した武者姿の若者が、厳しい作法にのっとり、東西へ白羽の矢を放つ。放たれた矢は、見学者が争うように拾い、破魔矢として家に飾る風習がある。

江戸時代前期の万治2年(1659年)、吉見喜左衛門尉源経孝という人が射放弓のお墨付きを下したことから始まったと伝わる。市の無形文化財に認定されている。

他に、湯立祭が1月11日と6月11日、歳旦祭が1月1日、4月第2日曜日に祈年祭と招魂祭、12月第2日曜日に新嘗祭、12月31日に大祓がある。

社号標が建ち、玉垣の巡らされた表参道入口から石段を上がると、朱の両部鳥居が建ち、左側を覗くと下にもう一本の参道が通り、神池と神橋がある。

その北に境内社が三社祀られている。水神社・秋葉神社・山神社である。参道をさらに進むと、明るく開け、広々とした境内に行き着く。

境内中央奥には入母屋造りの拝殿と渡り廊下で繋がれた幣殿、大きな流造りの本殿が建つ。その右側には境内社が四社ある。御鍬社、護国神社、金刀比羅社・塩竈社である。

高浜市はやきものの里として知られ、日本三大瓦の一つ「三州瓦」の産地として有名。当社殿も屋根にさり気なく留蓋や細工瓦が置かれ、手水舎の屋根に留蓋獅子がいる。

境内には親子一対の御神馬が置かれた神馬舎があり、その屋根の上にも留蓋獅子がある。

本殿縁にはやや痛みが激しいながらも、木製神殿狛犬が安置されている。拝殿前には、大正7年(1918年)建立の狛犬がある。

境内には縄文時代の八幡社貝塚がある。標高7.5メートル地点で、古代は近くまで海水の南の入江に沿っていたところ。

「波うち」といいなわらしている底地があり、近くによい水の出る大清水という小字もある。カキ類の貝が出たことから貝塚であるが発掘はされていない。

【ご利益】
厄災除け、無病息災、身体壮健
八幡社 愛知県高浜市八幡町
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