御霊神社より分祀の福田宮、旧牧野村の氏神、室町期本殿は重文
御霊神社 奈良県五條市中之町1765
[住所]奈良県五條市中之町1765
[電話]0747-22-4786

御霊神社(ごりょうじんじゃ)は、奈良県五條市中之町にある神社。近代社格では村社。中之町御霊神社、中之御霊神社などとも。御朱印の有無は不明。

中之町集落の中央に鎮座する。鎌倉時代の嘉禎4年(1238年)2月、吉原・牧野の争論により、霊安寺の御霊神社より分祀したと伝えられる。

御霊神社の宮分け伝説では、分社であるにもかかわらず、御神像を持って帰った、とされるケースも多く、当社の場合、ミソコシとホウキを持って帰ったと伝わる。

境内にある南北朝時代の弘和2年(1380年)の石灯籠に福田宮と陰刻されており、古くは福田宮とも呼ばれた。

『大和誌』によれば、「中村坐神祠」として、旧牧野村のほとんど全域の氏神であるという。

本殿は春日造で屋根は厚板段葺で、御祭神は井上内親王。本殿の右手に境内社で早良親王を祀る早良神社、左手に同じく他戸親王を祀る他戸神社がある。

いずれも棟木銘に室町時代の文明4年(1472年)とあり、国の重要文化財に指定されている。棟木銘では他戸神社の御祭神は雷神。本社の火雷神社との共通性が見える。

境内二社はともに一間社、流見世棚造、厚板葺。昭和55年(1980年)5月31日に新たに発見された現寸引付図と旧天井板三枚が国の重文として追加指定された。

当初の解体修理に当って、本殿の小屋廻りの現寸引付図が内陣天井板に転用されており、境内社の小屋内に瓦棒の古材の断片が発見されるなど貴重な資料となった。

例祭は10月23日。拝殿向って右側に境内末社が並ぶ。境内の灯籠には江戸時代中期の延享元年(1744年)、手水舎の水鉢には幕末の文久2年(1862年)の銘がある。

【ご利益】
諸願成就
御霊神社 奈良県五條市中之町
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