空海が遷宮とも、流鏑馬の伝統、県指定の天然記念物「ボウラン」
蛭子神社 徳島県那賀郡那賀町和食字町156-1
[住所]徳島県那賀郡那賀町和食字町156-1
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蛭子神社(えびすじんじゃ)は、徳島県那賀郡那賀町和食にある神社。鷲敷七福神(わじき七福神)の恵比寿。御朱印の有無は不明。

延喜式』巻9・10神名帳 南海道神 阿波国 那賀郡「和奈佐意富曾神社/和奈佐意富曽神社」に比定される式内社(小社)の論社。近代社格では郷社。

太龍寺のロープウェイへ向かう途中、真正面。鷲敷地区の中心部にある。厳粛な雰囲気が漂う境内には、夫婦杉と呼ばれて親しまれている樹齢1000年の2本の杉の巨木がある。

また、オオクス、イヌマキなどの老樹が天を突くようにそびえ、社歴の長さを物語っている。境内では県指定の天然記念物である「ボウラン」が自生している。

ボウランは大クスやイヌマキに寄生し、5月下旬には美しい花を咲かせる。当社境内のボウランが日本で分布する北限自生地とされている。

創祀年代は不詳。太龍寺縁起によれば、天長2年(823年)、空海が遷宮したと伝わる。古くは鷲敷社、中世には和食大明神、蛭子大明神と称した。

戦国時代の永正2年(15105年)、管領職を勤めた細川澄元が流鏑馬を奉納したという。安土桃山時代の慶長6年(1601年)、造営の記録が残る。

明治3年(1870年)、現社号に改称し、明治4年(1871年)、内の玉垣が造成され、明治5年(1872年)に郷社に列した。

御祭神は、蛭子大神天照皇大神素盞嗚神瓊瓊杵尊大国主神春日大神三輪大神厳島大神鹿嶋大神八幡大神事代主神を配祀する。

昭和3年(1928年)、御大典記念として外の玉垣が造成された。平成2年(1990年)、御大典記念に幣殿・拝殿・両脇宮・中門が改築された。

例祭は10月9・10日で例大祭。細川澄元の流鏑馬は、江戸時代中期の宝暦年間(1751年-1764年)に盛んになったが、その伝統を引き継ぐ3頭の馬の幟による歩射神事が行われている。

境内社に、地神社・秋葉神社・水神社などがある。随神門の前には5本の大木により「門杉」を形成している。

なお、式内社「和奈佐意富曾神社」の論社は他に、阿南市羽ノ浦町の羽浦神社に合祀された社、海部郡海陽町の和奈佐意富曾神社がある。

【ご利益】
諸願成就、開運招福、厄災除け
蛭子神社 徳島県那賀郡那賀町和食
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