道灌勧請の二簸川社、ねずみ小僧?の鳥居、子授かり狛犬、9月例祭
[住所]東京都中野区本町4-10-3
[電話]03-3381-6297

本郷氷川神社(ほんごうひかわじんじゃ)は、東京都中野区本町にある神社。近代社格では村社。参拝すれば、御朱印を頂ける。

室町時代の文明元年(1469年)、太田道灌による千代田城(後の江戸城)築城の際、城砦鎮護のため、大宮氷川神社の御分霊を勧請、創祀した。

御祭神は素盞鳴尊。この時、同様に雑色村に勧請されたのが神明氷川神社で、当社と神明氷川神社は俗に「二簸川社」と呼ばれた。

以来、両社への太田家による崇敬は篤く、例大祭には幣帛の寄進があったという。

文明9年(1477年)、長尾景春の乱における練馬・石神井両城攻略、いわゆる江古田原・沼袋の戦いにあたり、道灌は戦勝祈願し、社頭に杉一株を献植した。

このスギは後に落雷に遭い、枯死したが、石神井城鎮圧後、道灌は戦勝の奉賽として社殿を修復したという。

以来、旧本郷村の鎮守として崇敬された。『新編武蔵風土記稿』にも「氷川社」とあり、「2尺四面の石を神体とす。拝殿2間に3間、鳥居をたつ」、別当は福寿院だった。

明治5年(1872年)11月、村社に列した。

昭和20年(1945年)5月、空襲により旧社殿が焼失、昭和30年(1955年)に現社殿が再建された。昭和33年(1958年)9月、神楽殿と社務所が新築された。

例祭は9月第1日曜日。その前の金曜日には、大相撲の貴乃花部屋によるちゃんこ鍋振る舞いがある。

前日の土曜日と当日は、小中神輿・山車の巡行があり、民謡・民舞が奉納される。夜店も出る。当日は大神輿の町内渡御がある。

拝殿前には江戸時代後期の天保4年(1833年)に奉納された狛犬がある。細工が丁寧で、四谷塩町二丁目の石工本橋吉兵衛の作。

右手の狛犬は、子に授乳させている姿となっており、子授り・安産祈願に訪れる人もいるという。

現在は使われていない文政5年(1822年)銘の鳥居がある。「京橋 願主 治郎吉」とあり、義賊として有名なねずみ小僧のことともされている。

明治35年(1902年)9月24日、当時の豊玉群群長の丸山良香が撰文し、東京府知事千家尊福の筆になる本郷道改修記念碑がある。区の登録有形文化財で、「なかのの碑文」の一つ。

本郷道は、当社の傍らを通る旧道で、村の中央を東西に貫き、西願寺裏から本郷水車場(現 本町1丁目1番2号)へ製粉、搗立用の穀物を運ぶ重い馬車や荷車が通った。

境内南西には三体の庚申塔がある。もともとこの地域にはいく体かの古い庚申塔が集められ供養されていたが、いずれも破損がはなはだしいため、新造したものだという。

境内社に、稲荷社(宇迦之御魂神)2社と、武州御嶽神社より勧請した御嶽神社(日本武尊)がある。稲荷社前の神狐には、「坂東彦三郎、坂東亀三郎」などが見える。

【ご利益】
厄災除け、武運長久・勝運、子宝・安産
本郷氷川神社 東京都中野区本町
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