神武天皇ゆかりの少宮趾、愛馬と日本最古の牧場、シャンシャン馬
[住所]宮崎県日南市平山1095
[電話]0987-23-8520

駒宮神社(こまみやじんじゃ)は、宮崎県日南市平山にある神社。近代社格では村社。地元で「駒宮さん」として親しまれている。参拝すれば、御朱印を頂ける。

創建年代は不詳。しかし、鵜戸神宮の縁起に関して「駒宮アリ。神武天皇ガ船釣リヲサレシ折、龍神カラ賜ッタ龍石(たついし)トイフ龍馬ヲ祀ル」とある。

当社は、初代神武天皇の幼少時の少宮趾(しょうぐうし)として伝えられる。阿比良比売を妻に迎えた場所であるとも。

吾平山を後に宮崎に向かわれる時、愛馬「龍石」を草原に放たれたという「立石(たていし)」が当社より北約4キロにある。

御本殿の左後方に巨岩がある。御鉾の窟跡である。天皇が宮崎の宮に向かわれる時に、この巨岩の下の窟(いわや)に愛用の御鉾を納められたと伝えられている。

一枚岩の巨岩はまさに圧巻。いわゆるパワースポットとして、ここを目的とした参拝者も少なくない。

駒つなぎの松跡、あるいは舟つなぎの松跡と呼ばれるものもある。当時この付近は入江で、鵜戸の父君に面会するために使用した舟や、愛馬「龍石」をつないだ松と伝えられる。

また、当社より歩いて2分、神川と呼ばれる小川のほとりに草履石・駒形石という古蹟がある。神武天皇が足を洗い、愛馬を洗って手入れしたと伝わる。

『駒宮大明神縁起』によると、戦国時代の弘治2年(1556年)6月、駒宮領二町、足洗田一町を御供田として有していた。

入田原に大馬場があり、流鏑馬神事で賑わったという。江戸時代前期の正保年間(1645年-1648年)、火災により炎上したが、元禄年間(1688年-1704年)に再興した。

江戸時代中期の宝永3年(1706年)11月に拝殿が造営され、宝暦13年(1763年)9月には修繕、伊東藩からは神領3石の他、領主参拝の都度、銀2両が奉納された。

上述の「立石」付近は、その後日本最古の牧場となり、藩政時代には牧奉行が置かれ、その駒追には必ず優秀な代表の馬を引き下し駒宮に参る風習となった。

そのため、当社例祭には近郷から着飾った多くの農耕馬が集まり賑わいを極め、「シャンシャン馬」の起源となった。また、シャンシャン馬踊りも農家の手により奉納された。

シャンシャン馬は大正の初め頃まで行われた、新婚夫婦による鵜戸神宮への参拝、鵜戸詣において、美しく飾った馬に花嫁を乗せ、花婿が手綱を取りながら旅をする風習。

新婚夫婦は手甲、脚絆にわらじばきという旅姿で、日南海岸沿いの七浦七峠を越えて参拝したとされ、その名は馬につけられた鈴が道中シャンシャンと鳴り続けたことによる。

往古は相当な大社であり、神宮寺という寺跡があり、当社の別当寺だった可能性がある。幕末の安政元年(1855年)の広渡川の氾濫で水没した。

明治維新に際し、平山神社と改称したが、後に現社号に改め、村社に列し、明治40年(1907年)2月に神饌幣帛料供進社に指定された。

昭和9年(1934年)の神武天皇御東遷2600年には、少宮趾として全国奉賛会から顕彰され、本殿の修理と境内の拡張整備が行われた。

昭和15年(1940年)の紀元2600年祭には、県奉祝会の顕彰と地元氏子崇敬者の浄財で、本殿の修理をはじめ、祝詞殿、拝殿などの大改修が行われた。

『古事記』編さん1300年にあたり、平成25年(2013年)に有志崇敬者より、新燃岳噴火時の火山灰を混ぜたレンガ奉納により、下境内から上境内の福祉参道が連結された。

足腰の不自由な方も階段なしで参拝が可能となった。またこの際、駒つなぎの松跡も昭和9年整備の際の姿に戻す復元作業が行われた。

例祭は11月5日。10月最終日曜が御神幸祭、4月3日が神武天皇祭。そして、2月最終日曜には祈年祭・豊作祈祷神楽が行われ、煮花(はせばな)神事が斎行される。

「煮花」とは、当社鎮座地、平山の里に神武天皇がしばらくの間滞在した際、地元住民たちが種々思案の末に献上したと伝えられる、他に類を見ない神饌。

神武天皇は非常に喜び、たくさん召し上がったと伝えられる。原料の餅モミを鉄鍋で煎ってポンポンと弾ける様は、あたかも白く小さい花々が咲いたように見える。

当日は煮花作りを再現する神事が行われる。家内安全・無病息災のご利益があると伝えられており、いわば食べる御守。

境内には他に、神武天皇とゆかりの深い龍神を祀る龍神之池や、自動車・バイクをお清めする車祓殿などがある。

なお、当社の名誉宮司は、陰陽師などで有名な古神道の分野で著名な大和紫雲。占いや、よろず相談も人気で、常に1-2ヶ月先まで予約がいっぱいの状態だという。

また、当社では安産祈願の戌の日参りにも力を入れている。

【ご利益】
家内安全、無病息災、安産、平穏安寧(公式HP
駒宮神社 宮崎県日南市平山
【関連記事】
宮崎県の神社 - 本サイトに掲載されている神社で、宮崎県に鎮座している神社の一覧
駒宮神社 宮崎県日南市平山の御朱印