因幡の白兎に予言された大国主命の結婚相手の姫、前方後円墳も
[住所]鳥取県鳥取市河原町曳田字上土居169
[電話]0858-76-3115

賣沼神社(めぬまじんじゃ、売沼神社)は、鳥取県鳥取市河原町曳田にある神社。御朱印の有無は不明。

『延喜式神名帳』にある「賣沼神社(因幡国・八上郡)」に比定される式内社(小社)。近代社格では郷社。

東西に流れる曳田川の北岸にあり、境内のすぐ横を曳田川が流れる。東側の土手は八上姫公園になっている。

創祀年代は不詳。御祭神は、稲羽八上比売命。八上姫命とも表記される。『古事記』では、大国主神と兄弟八十神が、この八上姫命に求婚しようと、当地を訪れた。

途中、大国主命は、八十神に騙されて傷ついた因幡の白兎を助け、白兎の予言通り、八上姫命を娶った。八十神は振られ、大国主命に逆恨みすることで、『古事記』は展開していく。

大国主命が恋文を書いた倭文、大国主命が担いでいた袋を捨てた袋河原、二神が結婚した円通寺など、当社から千代川を下った地名に、その名残が残っている。

当社の対岸の梁瀬山中腹に、全長50メートル・後円部径25.8メートル・後円部高4メートル。当地方最大規模の前方後円墳がある。

嶽古墳と呼ばれる古墳で、市の史跡に指定されている。この古墳は、八上姫命の神廟とする説もある。

八上姫その人の陵墓ではないにしても、関連した地方豪族のものであることは間違いなく、千代川・曳田川での舟行・漁撈などに従事していた海人系の一族との指摘もある。

その一族が祖先を祀ったのが当社の草創とも考えられている。当社のもともとの社地はこの古墳の近くで、その後現在地近くに遷座、さらに現在地に遷座したとも。

社名は、「賣沼」だが、「比賣沼」が本来で、「比」の脱字であるという。別名として、八上賣神社、西日天王。

江戸時代前期の元禄年間(1688年-1704年)から、もとの社名である現社号に復して定着した。

社伝の記録には「八上姫神社」とも、拝殿扁額には「稲羽八上姫命神社」ともある。現在も、八上売沼神社などとも呼ばれる。

江戸時代後期の寛政6年(1794年)9月、社殿を再建した。明治以降、伊弉册尊保食神建御名方神高龗神闇靇神の神々が合祀された。現在、例祭は10月1日。

八上姫公園には、八上姫と大国主命のロマンを伝える恋物語が刻まれた石碑があり、石碑を順番に辿りることで、ロマンを感じることができる。

一帯は、春には桜を楽しむこともでき、憩いの場所となっている。

【ご利益】
縁結び、恋愛成就、夫婦和合、家内安全
賣沼神社 鳥取県鳥取市河原町曳田
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