八岐大蛇退治の須佐能袁命が踊って頭に挿した木が落ちた地、佐世の森
[住所]島根県雲南市大東町下佐世1202
[電話]0854-43-3483 - 狩山八幡宮

佐世神社(させじんじゃ)は、島根県雲南市大東町下佐世にある神社。御朱印の有無は不明。

『延喜式神名帳』にある「佐世神社(出雲国・大原郡)」に比定される式内社(小社)の論社。近代社格では郷社。

創祀年代は不詳。『出雲風土記』に「佐世社」と記載されている。同書には佐世の地名の由来も書かれている。

それによれば、当社の御祭神である須佐能袁命八岐大蛇を見事退治し、当地の小高い丘を選び、奇稲田姫命と一緒に勝利の御旗をあげたという。

傍らの木の枝を手折り、これを頭に挿して勝利の歓声をあげながら躍動した時、その頭に挿していた佐世の木の葉が、当地に落ちたことによるという。

また、その際踊躍を舞ったのが、日本における神楽の起源とされる。現在、佐世神楽社中だけが演じる『佐世の木』という演目がある。

現在も境内は鬱蒼とした木々に覆われ、佐世の森と呼ばれている。その中には須佐能袁命の落とした枝が成長したと伝えられているスダジイの巨木もある。

幹回り約7.6メートル、枝が八方に拡がり約3.8メートル四方に及ぶシイの古木で、枯れてはまた芽を吹き、現在のものは5代目だとされる。

当社には、鎌倉時代の弘安3年(1280年)、江戸時代前期の慶安5年(1652年)、貞享元年(1684年)8月に社殿造営の記録が残る。

『雲陽誌』には「白神明神」とあり、須佐能袁命の髪が白かったためとある。近世には白神大明神と呼ばれた。

その際、月根尾大明神とともに式内論社とされた。しかし、関係は良好だったようで、特段争われた事実はない。

明治4年(1871年)、白神明神が式内社とされ、つまり当社が佐世八幡宮を相殿に祀り、月根尾大明神は仮山八幡宮に合祀され、狩山八幡宮と改称し、相殿に式内社を祀った。

当社の相殿、佐世八幡宮は石清水八幡宮を勧請したもので、源頼朝が創建した、いわゆる出雲国八所八幡の一つだという。拝殿の額にも「八幡宮」とある。

当社の御祭神は、須佐能袁命・奇稲田姫命。大正8年(1919年)、末社だった下記の各社を合祀した。

・武内神社(武内宿禰命
・住吉神社(底筒男命中筒男命表筒男命住吉三神
・堤神社(伊邪那美命
・江野木八幡宮(誉田別命宇賀迺魂命
・稲葉神社(稲倉魂命)
・厳島神社(市杵島比賣命

例祭は10月27日。本殿の右手に、境内社の與津彦神社がある。狐像が安置されているため、稲荷だろうか。

なお、当社は株式会社吉田ふるさと村が企画する「やまたのおろち伝承地巡行」の第七番である。その際は希望者に御朱印が授与される場合がある。

【ご利益】
夫婦和合、家内安全、リフレッシュ、武運長久・勝運
佐世神社 島根県雲南市大東町下佐世
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