鯖神社（さばじんじゃ）は、神奈川県横浜市泉区下飯田町にある神社。近代社格では村社。左馬神社、下飯田左馬神社、宮の脇鯖社などとも。現在は御霊神社の兼務社である。御朱印の有無は不明。

創建年代は不詳だが、石橋山・富士川の合戦の働きを源頼朝に激賞された飯田五郎家義（飯田三郎家能と同一人物とも）が創建したとも伝えられる。

家義はこの褒賞により、飯田郷の地頭になったともいう。ただ、上飯田町の飯田神社にも同様の伝承があるとされる場合があるが、当社伝承と混同した可能性もある。

ただし、当社と飯田神社は境川沿いの両岸に祀られており、対になっていた可能性がある。柳田国男『石神問答』の中の「相模の左馬明神又は鯖明神」の指摘は、両社を分析したものともいう。

当社は戦国時代、小田原北条の頃に下飯田を治めた川上藤兵衛が、当社に武運長久を祈願したとも伝わる。

安土桃山時代の天正18年（1590年）、やはり当地の領主になった筧助兵衛為春は、地域の鎮守として当社を信仰し、氏子とともに社殿の修復をしたという。

『新編相模国風土記稿』下飯田村の条にも「鯖明神社」と記載され、「鎮守とす、東泉寺持。末社。稲荷」とある。現在も境内社に稲荷社がある。

つまり、境川中流域に12社ある鯖（サバ）神社の一つ。特に、境の神としての多くの伝承も残されているという。

明治6年（1873年）、村社に列した。御祭神は左馬頭源義朝（左馬頭源ノ義朝）。例祭は9月18日。境内には堅牢地神塔・庚申塔なども祀られている。

境内林は明治以来、県の風致保安林に指定されており、けやき、犬つげ、藪ニッケイなどの実生で生え、自然に繁茂した樹木が育っている。

境内の庭は昔の村社らしく広い。その広い庭を覆うように、市の名木・古木に指定された銀杏（イチョウ）が枝を伸ばしている。

現在当社の入口は新道に面しているが、以前は飯田神社同様、鎌倉道（上の道）から入るようになっており、今でも入口の小川には石橋が架けられている。

しかし昭和40年代に地域の農道整備が行われた時、長い参道が分断されて、今の新道が造られた。なしの木学園の近くに鎮座する。

【ご利益】
厄災除け、病気平癒、無病息災、リフレッシュ

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