鎌倉期勧請、地名「和泉」発祥の「御手洗の小池」、熊野社の末社
[住所]東京都杉並区和泉3-22-22
[電話]03-3328-6830 - 和泉熊野神社

和泉貴船神社(いずみきふねじんじゃ)は、東京都杉並区和泉にある神社。近代社格では無格社。現在は、和泉熊野神社の境外末社である。御朱印はない。

本社である和泉熊野神社の社頭から北に200メートル程度、同じ道沿いに、社殿は東面して鎮座している。

創建年代は鎌倉時代の文永年間(1264年-1275年)とされ、山城国の貴船神社を農作雨の神として勧請したものと伝えられている。御祭神は高龗神

『新編武蔵風土記稿』和泉村の条に、「除地、一段、村の北の方にあり、小祠を東向に立つ」と記載されている。

境内の池は「御手洗の小池」と呼ばれ、かつてはいかなる干天にも涸渇することがなく、村民の雨乞を行う場所だった。

その豊富な湧水から「和泉」の地名は、この池に由来するともいわれている。また水質も大変良かったようで、『豊多摩神社誌』にも下記のように記載されている。
里人は往昔此井より清酒を湧出せしなど云伝ふ
この伝説は今日も語りつがれているが、神田川の改修工事や周辺の宅地化にともない、昭和40年(1965年)頃以後は涸れた。

当社は大正時代(1912年-1926年)においても「木造茅葺、間口四尺、奥行三尺」という小祠だったが、古くから和泉地域の人々の厚い信仰に支えられて今日に至っている。

現在の神明造りの本殿は、昭和36年(1961年)の造営で、落成を記念した石碑も建てられている。ただし、実際には千鳥破風付きの流造。例祭は5月5日。

【ご利益】
五穀豊穣、祈雨・天候、地域安全、家内安全
和泉貴船神社 東京都杉並区和泉
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