銀杏稲荷神社（ぎんなんいなりじんじゃ）は、東京都杉並区下井草にある神社。御朱印の有無は不明。

棟札に「抑当社勧請者元和二歳比、先祖外記造営（下略）」とあり、井口家の先祖である井口外記が江戸時代初期の元和2年（1616年）、勧請し、創建された。

井口家は相模国の三浦氏の末裔といわれ、安土桃山時代の天正年間（1573年-1592年）に当地に移り住んだもので、その一族の多くは名主・年寄役などを勤めた。

井草の地名の起こりも井口姓を名乗った長佐衛門という者が「草分け長佐衛門」と呼ばれたことからだという説がある。

旧下井草村の鎮守として崇敬され、社名は当社の裏山にあった銀杏の大木に由来しているという。別当は妙正寺。

かつては境内も200坪ほどあったが、現在は井口家を中心とする30軒あまりの講中の稲荷として、地元の人々に信仰されている。

江戸時代後期の文政12年（1829年）2月、下井草村氏子中が奉納した「正一位銀杏稲荷大明神」の大幟が現存する。当時からの信仰の盛んさをうかがわせる。

御神祭は倉稲魂命。例祭は2月初午で、初午祭。現在に至るまで、厳かに祭礼が執行されている。世話役の頭を中心にして、この大幟と各講中持ち回りの幟を立てる。

また、井草八幡宮より御幣を戴き、御神酒及び種々の御供物をし、赤飯を子供たちに振舞い、五穀豊穣・講中安全・子孫繁栄を祈願する。

【ご利益】
五穀豊穣、商売繁盛、地域安全、子孫繁栄

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