もとは三島社、杉山社と深い関係、戦後に合併・改称・移転
末吉神社 神奈川県横浜市鶴見区上末吉4-14-14
[住所]神奈川県横浜市鶴見区上末吉4-14-14
[電話]045-531-0150 - 師岡熊野神社

末吉神社(すえよしじんじゃ)は、神奈川県横浜市鶴見区上末吉にある神社。近代社格では村社。現在は師岡熊野神社の兼務社である。御朱印の有無は不明。

もとは三島神社で、大山祇命を祀っていた。その創建年代は不詳。

ただし、南北朝時代初期の建武2年(1335年)作である寺尾古図(県立金沢文庫蔵)に、末吉領主三島東大夫とした書込みがある。

三島東大夫は三嶋大社の社家一族であり、当地は三嶋大社領か、あるいは深い関わりがあったものと考えられる。

その中で、三島神社は当地住人が当地の氏神として、領主の氏神である三嶋大社を勧請、創建された可能性がある。

ちょうど古図の頃、当地一帯は幕府軍と新田義貞軍との間で、鶴見合戦が行われたところで、その戦火の影響は当地住人にも大きな影響を与えたかもしれない。

三島神社はもと上末吉、下末吉両村の氏神であったが、江戸時代に分村後、上末吉のみの鎮守となったという。

三島神社は、江戸時代後期の『新編武蔵風土記稿』上末吉村の条にも「三島社」とある。別当は圓明寺だった。

それによれば、「字根畑にあり、山の半腹に社を立て石階十九級を設く、社の邊すべて竹木生茂り山の下には又大松二株立り側に鳥居を建」てたとある。

また、「例祭九月二十九日杉山明神と隔年に祭る」とある。この杉山明神も、『新編武蔵風土記稿』上末吉村の条に「杉山社」と記載されている。

例祭を隔年で交互に行うという、当社と関わり深い杉山社は杉山神社72社の一つだが、その後消息がない。いずれかの時期に、当社に合祀されたと考えられる。

三島神社の別当だった円明寺は上末吉1丁目8番地にあり、真言宗の寺で、末吉山東光院といい、本尊に七佛薬師の木造を安置していた。

明治6年(1873年)、廃寺となり、今この跡には、江戸時代に寺子屋を開いて子弟を教導した僧弁頼の筆子塚「弁頼筆子塚」がある。市域で2番目に古い筆子塚である。

明治6年12月、三島神社は村社に列し、昭和32年(1957年)4月に無格社梶山神社・八幡神社を合併、現社号に改称し、境内地を上末吉町918番地より1109番地に移転した。

梶山神社はもとは神明社で、字梶山谷に鎮座していたことが『新編武蔵風土記稿』に記載されている。また、八幡神社も同書に「八幡社」とある。

現在までに、当社の御祭神は、天照大神・大山祇命・誉田別命日本武命。神明・三島・八幡・杉山の御祭神と対応している。例祭は8月9日に近い日曜日で、例大祭。

境内地は855坪。平成2年(1990年)、天皇陛下御即位記念で玉垣を建立し、平成15年(2003年)には社務所を改修し、現在に至る。

境内には、力石と記念樹があり、江戸時代後期の天保3年(1832年)12月建立の狛犬一対が安置されている。他に、境内社一宇がある。

【ご利益】
開運招福、家内安全、地域安全、旅行・交通安全
末吉神社 神奈川県横浜市鶴見区上末吉
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