猿楽塚古墳の上に鎮座、大正時代に取り壊したら祟りがあり奉斎
[住所]東京都渋谷区猿楽町29-9 ヒルサイドテラス内
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猿楽神社(さるがくじんじゃ)は、東京都渋谷区猿楽町、ヒルサイドテラス内にある神社。神社本庁に属さない単立神社である。御朱印はない。

東急東横線「代官山駅」からほど近く、ヒルサイドテラスのC・D・E棟の建物に囲まれる形で鬱蒼とした小さな森があり、山手通りの歩道からもその様子が伺える。

古来、当地には南北に2基の古墳があり、北側に位置する大型墳が「猿楽塚」と称され、付近一帯の地名である猿楽町は、この古墳に由来する。

猿楽塚は、6-7世紀の古墳時代末期の築造と推定されており、直径約20メートル、高さ約5メートルの円墳である。

猿楽塚古墳を含む、当地の2基の古墳の間を初期の鎌倉道が通っていて、目黒川に下っていた。古来からの交通の要衝でもあった。

現在は、主墳である猿楽塚古墳は渋谷区に、副墳は区境をはさんで目黒区に位置する。

また江戸時代の資料によれば、鎌倉時代初期、源頼朝がこの地で猿楽(申楽)を開催し、その時の道具を埋めたという伝説があるという。

『江戸砂子』『江戸名所図会』などにも記載され、江戸でも有名な名所の一つだった。我苦を去るという意味から、去我苦塚とも称された。

また、塚の上から遠方の山々を望むことができたため、斥候(ものみ)塚とも呼ばれた。区内において、現存していること自体貴重であり、区の文化財に指定されている。

当地の所有者である朝倉家は、遠祖は甲州・武田家に臣属した戦国時代からの旧家。

武蔵国に転じた後、渋谷に定住し、金王八幡宮渋谷氷川神社の両鎮守への参拝を常とし、氷川神社改築にも尽力したという。

大正時代、朝倉家が古墳の一つを打ち壊したところ、多数の武具が出土し、同家当主と作業をした親方が病に伏してしまったという。

そこで、武具を埋め戻したところ、間もなく親方の病気が回復したことから、猿楽塚上に当社を創建した。

御祭神は、天照皇大神素盞嗚尊・猿楽大明神・水神・笠森稲荷。以来、2月18日・11月18日の両日を祭礼日と定め、朝倉家や、近隣在郷の崇敬を集めている。

御朱印対応はされていないが、御札・お守り・絵馬については、ヒルサイドテラスE棟管理室で授与されている。

塚の頂上には、当社の他、馬頭観世音菩薩の碑と小石祠もある。

近くには、朝倉家の邸宅があり、大正時代の建築様式を残す「旧朝倉家住宅」として重要文化財に指定されている。参観料100円で、邸宅と庭園を見学することができる。

当社前の都道317号の山手通りを南下し、都道416号に入り、恵比寿駅までは約1キロ。恵比寿駅近くには恵比寿神社がある。

【ご利益】
リフレッシュ、病気平癒、開運招福、厄災除け
猿楽神社 東京都渋谷区猿楽町
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