鏡山の山頂、磐座「とにかく岩」と神功皇后、佐用姫伝説の地
[住所]佐賀県唐津市鏡6052-20
[電話]0955-77-0703

鏡山神社(かがみやまじんじゃ)は、佐賀県唐津市鏡にある神社。どの角度からも台形に見える美しい山である鏡山の山頂に鎮座する。鏡山稲荷神社とも。御朱印の有無は不明。

西北の山麓には鏡神社があるが、当社とは別の神社。社殿の後ろに通ずる参道沿いには、海側に数々の岩場(磐座)があって、それぞれ小さな祠で祀られている。

山側にも、「御山嶽大明神」と書かれた鳥居があって、沖縄の御嶽を思わせるような神域がある。この山の御神体は、「とにかく岩」。

「とにかく岩」は、鏡池の北側を少し下ったところ、高さ1メートルあまりの注連縄を巻いたほぼ三角形の岩。

神功皇后が、三韓征伐の時、鏡山に登り戦勝祈願したが、その際「とにもかくにもここでおまいりしよう」となったため、「とにかく岩」となったという。

当社も、この故事に伴う創建であり、御祭神は息長足比売命(神功皇后)。

現在、当社の近くに佐用姫神社があるが、これは最近建立されたもの。しかし、この鏡山こそ、松浦佐用姫ゆかりの地。

第28代宣化天皇2年(537年)、新羅に出征するためこの地を訪れた大伴狭手彦と佐用姫は恋仲となったが、ついに出征のため別れる日が訪れた。

佐用姫は鏡山の頂上から領巾(ひれ)を振りながら舟を見送っていたが、別離に耐えられなくなり舟を追って呼子まで行った。

そして、加部島で七日七晩泣きはらした末に石になってしまった。田島神社の境内社には佐與姫神社があり、佐用姫が変じたとされる石(望夫石)が祀られている。

現在までに当社は保食神と天神地祇を祀っている。保食神を祀っていることに対する由緒は不明だが、これが鏡山稲荷神社とも呼ばれるゆえんだと考えられている。

なお、当社は進藤彦興『詩でたどる日本神社百選』に掲載されている。

当社が鎮座する鏡山山頂及びその周辺付近には、佐用姫神社の他、荒熊神社、白玉神社などがあり、南方には鏡山道祖神が祀られている。

鏡山道祖神鏡山道祖神は、「さやんかみ」と親しまれているが、巨大な男根と女陰のリアル過ぎる道祖神が祀られていることでも知られる。

巨大な男根、その根元の、睾丸の部分と思われるところに、女陰が彫られている。何も知らずに行くと面食らうかもしれない。

ただし、近くにある石碑に下記のように記されているように、日本の信仰に根差したモニュメントである。
特に家庭円満の基礎は夫婦(男女)の営みの成功(性交)に依るものであり精力の限りを尽して努力し打てし止まぬ不屈の行為が子供(金)を産み出す力となり子々孫々の繁栄をもたらす原動力となり商売繁昌の道しるべとされた
なお、鏡山山頂の展望台からは、唐津湾や虹の松原などの絶景が一望できる。桜やつつじの名所でもあり、春になると約4キロの登山道が桜のトンネルになる。

【ご利益】
武運長久・勝運、海上安全、交通安全、安産、諸願成就
鏡山神社 佐賀県唐津市鏡
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