飛鳥朝創立の元大原、春に「お砂」まき、10月「からす田楽」
大原神社 京都府南丹市美山町樫原大原谷10
[住所]京都府南丹市美山町樫原大原谷10
[電話]0771-75-9110 - 大野振興会

大原神社(おおはらじんじゃ)は、京都府南丹市美山町樫原大原谷にある神社。大野ダムの近くに鎮座する。近代社格では郷社。御朱印の有無は不明。

飛鳥時代の大化元年(645年)あるいはその翌年か、孝徳天皇の御代に創立された。伊勢の神宮(伊勢の神宮)より御神霊を勧請し、祀られたという。

古くから「大原神宮」「大原大明神」とも呼ばれた。霊験顕著にして大原詣でと称し、その崇敬の範囲は丹波全域はもちろん、丹後、山城、若狭に至ったという。

その結果、各地に当社の御分霊を祀る社ができ、現在明らかにされているものでも天田郡美和町の大原神社、福知山市堀の一宮神宮の境内社大原神社、京都四条綾小路の大原神社がある。

これら分霊地より当地は元大原と称され、また大原大明神と称え奉じられ、「大原講」というものが各地に存在したという。

また、これら大原神社では、「天一位」という独特の神階が用いられることもある。どのような関係かは不明だが、東京都中央区日本橋兜町の大原稲荷神社でも「天一位」が使われている。

『延喜式』神名帳には、当時の誤錯により漏れたという。御祭神は、伊弉諾尊伊弉冉尊天照大神

江戸時代前期の元和5年(1619年)、小出吉親が但馬出石より船井、桑田、何鹿の三郡を領す園部初藩主として移封された。

その後、10代250年間、藩主代々の祈願社となり、丹波の国の古社6社(丹波六社)に列せられた。

氏子の中に、古くより社家8家(現在5家)があり、神職を助け、現在も奉仕を行っている。

江戸時代後期の文政6年(1823年)、本殿を火災で焼失し、弘化3年(1846年)に再建された。

明治40年(1907年)3月、神饌幣帛供進社に指定され、大正11年(1922年)7月には郷社に列した。例祭には境内外に多くの出店が並び賑わいを見せている。

平成27年(2015年)、強風によって、本殿の後方約3メートルにあった、高さ約50メートル、幹回り約2.8メートルの大スギが倒れ、直撃を受けた拝殿が全壊、本殿の一部が損壊した。

翌平成28年(2016年)4月、氏子らの寄付や市や府の補助金により、本殿は従来の部材を生かしながら、新たなヒノキ材を用いて復元、拝殿は真新しいヒノキ材を使って再建された。

春秋に例祭があり、毎年4月20日ごろに行われる春の大祭には「お砂」を受けて、苗代にまく風習がある。例祭には境内外に多くの出店が並び、賑わいを見せる。

境内には、樫原地区の氏神で、猿田彦命を御祭神とする摂社の川上神社がある。その「からす田楽」は府の無形文化財第1号に指定され、毎年10月の体育の日に行われている。

この「からす田楽」は600年の伝統を誇る奉納芸とされ、笛や太鼓、ピンササラをもった9人の人々によって演じられ、五穀豊穣、家内安全が祈願される。

境内には他に、末社の金刀比羅神社や五社明神、大山祇神社などがあり、伊勢神宮遥拝所もある。

参道の一の鳥居、現在は社標のみだが、その付近に、幹周7.8メートル、樹高6メートル、樹齢300年以上というケヤキの大木がある。

根元が大きく膨らんだ特徴のある形状のこのケヤキは、御神木として崇められ、府の名木に指定され、京都の自然200選の一つ。

ケヤキの前の道路を登っていくと200メートルほどで当社に到着する。

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大原神社 京都府南丹市美山町樫原大原谷
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