江戸中期には存在、真福寺谷の鎮守、歯痛封じと幕末本殿
[住所]神奈川県川崎市麻生区白山4ー3ー1
[電話]042-735-5617 - 月読神社

白山社(はくさんしゃ)は、神奈川県川崎市麻生区白山にある神社。白山神社とも。現在は月読神社の兼務社。参拝すれば、御朱印を頂ける。

旧王禅寺村真福寺谷の鎮守で、旧王禅寺鎮守五社の一つ。具体的な創建年代は不詳。宝暦12年(1761年)7月に鎮座したとの説もある。

ただし、江戸時代中期の宝永3年(1706年)の「王禅寺村絵図」にその存在が書かれており、この頃には存在していたことになる。

加賀国白山神社の末社として勧請されたと考えられており、御祭神は白山姫命

『新編武蔵風土記稿』都筑郡王禅寺村の条にも「白山社」とあり、下記のように記載されている。
村の西の丘山にあり、社三間四方南向なり、まへに石階及び鳥居あり、祭禮は年月を定めず、小名眞福寺谷の鎮守にて村持なり
志村家文書によれば、幕末の嘉永3年(1850年)から本殿と覆殿を新築、造営の大工は地元真福寺谷の助之烝と幸右衛門だったという。

現在の本殿はこの時のもので、本殿は、母屋間口3尺(約80センチ)、向拝の出3.12尺(約94.5センチ)の小規模な、一間社流造。

母屋4周には擬宝珠高欄付の切目縁をめぐらしている。屋根は柿葺きで、正面は千鳥破風、向拝に軒唐破風をつけて飾っている。

母屋の組物は三手先斗栱で、中備に詰組一具を配し、妻飾りは二重虹梁を出組斗栱で受けており、切目長押の上に腰長押を入れ床を一段高く造り、正面に両開き板扉を立てている。

彫刻装飾は、正面両脇壁に上り龍と下り龍の彫刻をはめ、両側面と背面の板壁、腰壁や琵琶壁、妻壁などを彫物で埋めつくし、木鼻や尾垂木先を獅子や龍の彫物で飾っている。

虹梁木鼻と中備には龍の、軒唐破風の兎毛通りに鳳凰の彫物を施している。幕末期の特徴を良く示し、各部の仕事は丁寧で、彫物をはじめ細部に至るまで意を用いた質の高い建物。

「白山神社本殿」として、市重要歴史記念物に指定されている。

昭和40年(1965年)から、覆屋と幣殿が新築され、これに伴い旧覆殿は拝殿に改築され、屋根も寄棟造り草葺きから入母屋造り銅板葺きに改修された。

その際、拝殿正面虹梁のほぞに「『嘉永四年八月二十三日建之』棟梁 幸ェ門 間松」の墨書棟札(ぼくしょむなふだ)が発見された。

これにより、現在の拝殿はもと覆殿であり、嘉永4年(1851年)に改築されたことが裏付けられた。

例祭は9月7日で大祭。当社は昔から虫歯の神として信仰され、萩の枝で作った箸を供えて祈願する習慣がある。

【ご利益】
歯痛封じ・病気平癒、家内安全、地域安全
白山社 神奈川県川崎市麻生区白山
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