桃山期勧請とも二ヶ領用水の堤鎮護とも、江戸後期の奉納物
[住所]神奈川県川崎市多摩区中野島1-16-2
[電話]044-522-4844

稲荷神社(いなりじんじゃ)は、神奈川県川崎市多摩区中野島にある神社。中野島稲荷神社とも。御朱印の有無は不明。

創建年代は不詳。安土桃山時代の慶長年間(1596年-1615年)、山城国伏見稲荷大社を勧請したとも、江戸時代前期、当地を開墾した田中休愚(1662年-1730年)が二ヶ領用水の堤鎮護のために勧請したとも。

『新編武蔵風土記稿』中野島村の条にも「稲荷社」とあり、「例祭九月十八日、観音寺の持」で、末社として、秋葉社・天神社・照信社が記載されている。

このうち、照信社は「照信明神と號す、照信は疱瘡神の異名なりとぞ」とある。当社には、下記の江戸時代後期から幕末にかけての奉納物などが現存し、篤い信仰を集めていた。

・文政3年(1820年)9月奉納の手水鉢
・天保6年(1835年)10月の棟札
・嘉永6年(1853年)6月銘の祠
・嘉永6年(1853年)8月奉納の幟支柱

御祭神は、倉稲魂命。農業・商売・社運・繁栄・子育ての神だという。相殿に、学業・受験の神である菅原道真公を祀る。

末社として、水害防止の川除稲荷社(かわよけいなりしゃ)、火難防止の秋葉社、飲料水・金運の水神社、皮膚病治癒の照信社、学業の聖徳太子堂がある。

このうち、川除稲荷社は多摩川の堤防を洪水から守るために奉斎され、河除稲荷とも、河守稲荷とも呼ばれた。

もとは中野島6-2042の先にあったものを、堤防の拡幅に伴い、昭和39年(1964年)、当社境内に遷座し、平成5年(1993年)10月に改築した。

例祭は10月体育の日で、秋季例大祭。その前日が宵宮祭、当日が神幸祭。2月上午の日に初午祭が行われる。

1月第2月曜日、つまり成人の日前後にサイノカミとして、どんど焼が行われる。古い神札や注連縄を焚き上げる。自由に参加できる。

歳旦祭は毎年1月1日で、4日まで授与所が開かれ、神札・お守り・破魔矢・絵馬が授与される。

当社は堰稲荷神社末長杉山神社下作延神明神社などを兼務している。

【ご利益】
五穀豊穣・商売繁盛、子育て、学業・受験合格など(公式HP
稲荷神社 神奈川県川崎市多摩区中野島
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