愛宕社の杣保神社と牛頭天王の葛神社が合併、古式残す4月例大祭
[住所]東京都青梅市藤橋2-107
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杣保葛神社(そまのほかつらじんじゃ/そまほかずらじんじゃ)は、東京都青梅市藤橋にある神社。近代社格では村社。御朱印の有無は不明。

当社は、明治6年(1873年)に村社に列した杣保神社と葛神社、日枝大神社が、明治43年(1910年)に合併して創立された。

杣保神社は、藤橋城主平山越前守重吉が安土桃山時代の元亀・天正年間(1570年-1591年)、城内鎮護のため、愛宕社と称して祀ったと伝えられる。

平山重吉は青梅の勝沼城主三田氏に従い、北条氏に抵抗して没落した。同じ平山氏の檜原城は北条氏につき、同族が敵味方に分かれた。

藤橋城の遺構は主曲輪と腰曲輪、土塁、空堀、城戸門跡が残っている。公園として整備され、中央には杣保神社跡の碑がある。往時、一帯は「杣の保」と呼ばれていた。

杣保神社については、『新編武蔵風土記稿』藤橋村の条にも「愛宕社」とあり、「御朱印十石の社領を附せらる」などと記載されている。

葛神社の創建年代は不詳。『新編武蔵風土記稿』に「牛頭天王社」とあり、「愛宕社地の内にあり、村内の鎮守とす」とある。

日枝大神社も『新編武蔵風土記稿』にある「山王社」か。他に「山神社」も記載され、この4社の別当は寶泉寺(宝泉寺)だった。

合併後の大正年間(1912年-1926年)には拝殿を新築、本殿に覆舎をして、大改造が行われた。境内面積は275坪(908平方メートル)である。

御祭神は、建速須佐之男命武甕槌神経津主神大直日神神直日神。例祭は4月15日。現在はそれに近い日曜日に行われている。

当日、神輿、山車、子供囃子屋台が当社を出て街中を巡行する。この日に先立ち4月1日には町中に悪霊、疫病除けの注連縄を張りめぐらして連帯感を深める。

神輿は神の渡御だから担ぐ人は白丁に着替え、決して「祭り神輿」であってはならないという考え方が現在も根付いている。

古式を残す当社の例祭において、特に顕著なのが「御殿入り」の儀式である。日曜日21時頃から役員だけで真っ暗闇の中を当社を3周して御神体を本殿に戻す。

境内社に、天照皇大神大物主大神秋葉大神豊受大神・稲荷大神がある。

【ご利益】
厄災除け、出世開運、武運長久・勝運、地域安全
杣保葛神社 東京都青梅市藤橋
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