出雲大社を勧請、後に稲荷社、神明社と合併、シイノキの巨樹
[住所]東京都青梅市千ヶ瀬町2-117
[電話]0428-22-0316

千ヶ瀬神社(ちがせじんじゃ)は、東京都青梅市千ヶ瀬町にある神社。近代社格では村社。参拝すれば、御朱印を頂ける。

社伝によれば、平安時代の承平3年(933年)、藤橋吉政が祖神である大国主命を祀ってこの地に社殿を建てたという。

『東京都神社名鑑』などには、「出雲太郎故あって東下し、杵築大神を勧請してこれを出雲神社と称した」とある。藤橋吉政は不詳だが、出雲太郎と同一人物だろうか。

さらに『東京都神社名鑑』では、「後に誤って大社権現と称し、火産霊神を合祀し、これを飯縄権現と記したことにより、延喜式記載に漏れたといわれる」とある。

その後、なぜか稲荷大明神と称し、稲荷社として認知されたようだ。慶安2年(1649年)、徳川氏より1石5斗の圭田を寄進され、以来、朱印状を付して継続された。

『新編武蔵風土記稿』千ヶ瀬村の条にも「稲荷社」とあり、「御朱印五斗の社領を附せらる」とある。いずれのかの時期に加増されたものか。

明治6年(1873年)、村社に列した。明治7年(1874年)、御伊勢林の神明大神宮を当社境内に遷し、明治15年(1882年)、二社を合わせて現社号に改称した。

この神明大神宮も、『新編武蔵風土記稿』に「神明社」として記載され、「御朱印一石の社領を附す」などとある。

以上を経て、御祭神は、豊字気姫命猿田彦命大宮能売命・大国主命・伊邪那美命速須佐之男命・火産霊命・天照大神豊受大神

天照大神・豊受大神が神明大神宮の御祭神と思われるが、現在は別殿で祀られているとも。

また、豊字気姫命と豊受大神は同神とも考えられるが、稲荷神としての豊字気姫命であれば、倉稲魂命と同神と考えた。

大正15年(1926年)、社殿を再建した。社宝に、南北朝時代の応安年間(1368年-1375年)の棟札、勝海舟筆の幟一対などがある。

例祭は9月15日。現在は9月第2日曜日に山車の巡行などが行われている。

境内に朝日、夕日の御蔭と称する椎(シイノキ)の樹二株があり、ともに出雲太郎の植えたものといわれ、千有余年を経て、いまだに枝葉は繁茂している。

ただし、夕日の御蔭は室町時代の文明12年(1480年)、大風のため折れて枯木となり、現在のものは、後に植樹したものである。

このシイノキは、幹周5.6メートル、樹高15メートル。実際の樹齢は300年程度とされる。市の天然記念物に指定されている。

境内社に、八雲神社・浅間神社・春日神社がある。

【ご利益】
五穀豊穣・商売繁盛、開運招福、縁結び
千ヶ瀬神社 東京都青梅市千ヶ瀬町
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千ヶ瀬神社 東京都青梅市千ヶ瀬町の御朱印