もとは妙見社、宗徳寺の守護、11月例祭で山車や参道に地口行灯
[住所]東京都青梅市西分町2-34
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西分神社(にしぶんじんじゃ)は、東京都青梅市西分町にある神社。近代社格では村社。地名の西分は、当社とは違い、「にしわけ」と読む。御朱印の有無は不明。

社伝によれば、室町時代の永享年間(1429-1440)に妙見山宗徳寺を中興した一庵光淋が、寺門の守護神として祀ったのが始まり。

一説に、宗徳寺が開基された鎌倉時代を当社の創建時期とするものもある。

その後、村内の鎮守にもなったようで、『新編武蔵風土記稿』西分村には「妙見社」とあり、「御朱印三石」「村内の鎮守なり」などと記載されている。別当は宗徳寺。

以前は通称妙見山の山頂付近に鎮座したが、幕末に現在地に遷座した。手水場の石には「万延元庚申年」とあり、遷座の時期は1860年か、それより少し前とされている。

ちなみに、いまも山頂付近には旧社の跡が残されており、奥宮といった形になっていて、そのあたりから望む青梅市街越しの奥多摩の山並みは、まさに絶景。

現在地の山の中腹に移されて後も、当社は地元の人々によって大切にされ、ことあるごとに補修などが繰り返されてきた。

明治になり、神仏分離に伴って、当社の本尊の妙見像は宗徳寺に遷され、村社に列した。また、明治2年(1869年)、現社号に改称した。御祭神は天御中主神

当社は安産の神として長く信仰されてきた。これはかつて、当社の氏子には難産したものがいないと言われたことから始まったという。

例祭は11月3日。賑やかに山車が曳き出されるとともに、参道には地口行灯が点されて、幻想的な雰囲気を醸し出す。

当社の山車は、当社遷宮百年祭の記念として、昭和47年(1972年)に製作された。囃子座の天井には、飛鶴が描かれ、欄間には蛙股が付いている。

青梅の他の山車と同じ「黒漆塗り・面取りに朱」をベースに、欄干などに沈金を施した青梅の山車で唯一といわれる極彩色に塗られているのが特徴。

境内には、明治から大正にかけて活躍し、皇典講習所(後の國學院)の設立にも大きく関わった国学者の井上頼圀らによって寄せられた和歌の碑などがある。

また、子獅子を崖下に突き落とす獅子が一対の狛犬となった珍しい彫刻などがある。

境内社に、愛宕神社と御嶽神社の合殿、三社神社、熊野神社(伊邪那岐命伊邪那美命熊野樟日命・速玉之男命・事解之男命)がある。

宇石神平に当社の枝宮として、石神社が鎮座する。御祭神は道反乃命。当社の杓子を受け、石神社に願掛けしながら患部をなでると、快癒すると信仰された。

【ご利益】
安産、病気平癒、身体壮健、家内安全、地域安全
西分神社 東京都青梅市西分町
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