鎌倉期の銅造阿弥陀如来坐像が重文、源氏崇敬の社、スダジイの大木
[住所]東京都日野市百草867
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百草八幡神社(もぐさはちまんじんじゃ)は、東京都日野市百草にある神社。近代社格では村社。百草八幡宮とも。多摩市の小野神社の兼務社で、御朱印も小野神社で頂ける。

創建年代は不詳。社宝の石造狛犬には奈良時代の天平年間(729年-749年)の刻がある。

平安時代の康平5年(1062年)、源頼義が奥州征討の折、山城国の男山八幡宮の霊土を埋め、社を再建して戦勝祈願したとされる。

また、奥州平定後に報賽として千手観音像および祭田500石を、津戸明神に武内宿禰の像を寄進したという。

鎌倉時代初期の建久3年(1192年)には、源頼朝が武運長久を祈願して太刀一振を奉納したとされる。

安土桃山時代の天正元年(1573年)、社殿が造営され、江戸時代初期から前期にかけての慶長15年(1610年)9月、寛永9年(1632年)、寛文6年(1666年)に修築された。

別当は松連寺が務め、元禄14年(1701年)5月、松連寺の住職、臨済宗35世亀光鑑が『武州多摩郡百草村桝井山正八幡宮伝紀』を著した。

古くは古富八幡社、古八幡社などと称された。『新編武蔵風土記稿』百草村には「八幡社」とある。御祭神は、誉田別命気長足姫命・武内宿禰・源義家。

現在は京王百草園に隣接する傾斜地に鎮座する。百草園は、明治6年(1873年)に廃寺となった別当・松連寺の旧跡に整備されたもの。

明治36年(1903年)、百草鎮座の秋葉山大権現社、御嶽神社、稲荷神社(宇迦之魂命)を合祀、現在は境内社として祀られている。

境内には奉安殿があり、中には国の重要文化財に指定されている銅造阿弥陀如来坐像一体が収められている。

鎌倉時代の建長2年(1250年)、源家の祈祷所だった真慈悲寺の僧・慶祐が造立したといい、同寺が廃絶後は当社の本地仏となった。

例祭はもとは旧暦8月15日で、村民たちが神楽を奏で、神酒などを捧げたと伝わる。今は9月15日で、現在は9月第3土曜・日曜日に行われる。銅造阿弥陀如来坐像が開帳される。

当社境内から百草園の裏にかけて、樹齢何百年ものシイノキの大木が偉容を誇り、その深厳さを示している。市の天然記念物に指定されている。

最大のものは当社本殿の裏にある、高さ17メートル、目通りの太さは1.3メートル。シイの種類は全てスダジイで、多摩丘陵でここのように群生しているのは非常に珍しい。

【ご利益】
厄災除け、家内安全、安産、健康長寿、武運長久・勝運
百草八幡神社 東京都日野市百草
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百草八幡神社 東京都日野市百草の御朱印