畠山氏居城の鬼門守護、江戸中期の本殿や狛犬、鳥居、千両まがり
[住所]大阪府八尾市沼1-130
[電話]072-972-0016 - 柏原黒田神社

寶殿神社(ほうでんじんじゃ)は、大阪府八尾市沼にある神社。沼の寶殿神社とも。御朱印の有無は不明。

室町時代、河内守護職だった畠山氏の小山砦から鬼門の位置にあったので、その守護神として創建されたと伝えられ、沼の産土神である。

畠山氏は、当社の境内に伏兵を配備して奇功を立てたと伝わる。しかし、永禄年間(1558年-1570年)、三好勢により、宝庫などが戦禍に遭い、古文書・宝物などは焼失した。

本殿は一間社流造で、覆屋内に鎮座し、江戸時代前中期のもので、市内に残存する古い建築様式の一つで、後述の狛犬などと含めて、市の文化財に指定されている。

組物の上に6本の垂木が乗る六枝掛けの技法やほっそりとして古めかしい蟇股などに河内の伝統的な様式が良く残っている。

境内には宝永4年(1708年)銘の鳥居があり、本殿もこの時期の造営と考えられる。また、本殿と同時代のものと考えられる珍らしい木造狛犬二対も保存されている。

この付近は、江戸時代中期の宝永年間(1704年-1711年)の大和川付替え工事の時、その川筋に当っていたが、村民が一致協力して村と神社を護ったという。

氏子一同から千金を拠出して流路を迂回して現状の通りにしたため、現在もこの付近は千両まがりと呼ばれている。

ただし、この付替え工事の影響は大きく、古くは古元畠山城から当社に通ずる参道もあって、なお老松多く繁茂していたが、その景観は失われたという。

それでも、宮座に残る古記録では、五穀の神、保食の神と唱え、御神徳広大な諸神が鎮まる、とされ、安永年間(1772年-1781年)までは祭祀は荘厳に執行されたと伝わる。

現在は10月中旬に例祭があり、第2土・日曜日にはふとん太鼓、だんじりの巡行がある秋祭りが行われる。

市指定保全樹木であるくろがねもちがある。現在は、柏原黒田神社の兼務神社である。

【ご利益】
五穀豊穣・商売繁盛、武運長久・勝運、方除け
寶殿神社 大阪府八尾市沼
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