飛田新地の近く、明治期に三味線原料の猫の供養のために建立
[住所]大阪府大阪市西成区太子2-3-19
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松乃木大明神(まつのきだいみょうじん)は、大阪府大阪市西成区太子にある神社。御朱印の有無は不明。

日本最大級の遊廓とされる飛田遊廓(飛田新地)に沿うように東西に延びる飛田本通商店街の路地の奥に鎮座する。

明治34年(1901年)、当時三味線の原料になっていた猫の供養のために建てられた。境内には猫塚がある。御祭神は松乃木大明神。

ちなみに、大正5年(1916年)に築かれた飛田新地よりも当社は先行する。戦前の大門通駅はこの附近にあった。現在は、すぐ背後には旧南海天王寺支線の線路跡がある。

拝殿の横には近松門左衛門の碑がある。「平安堂近松巣林子信盛碑」と刻銘されている。平安堂や巣林子は近松門左衛門のペンネーム。

もともとは明治36年(1903年)に天王寺で第五回内国勧業博覧会があり、その時に天王寺公園になる予定の土地だった万博会会場にあったものを移設したもの。

近松門左衛門『曽根崎心中』の「堂島新地天満屋の場」の一節に、下記のように飛田の名が出てくる。
ここにいるお初の一番客といえば平野屋の徳兵衛めが(中略)どうせあいつは野江か飛田で処刑される奴だから

つまり、飛田新地を中心とした地域は、昔は処刑場だったことになる。ちなみに、『曽根崎心中』と関連の深い神社に、市内北区曾根崎の露天神社がある。

もともと天王寺界隈は芸人が集まる場所で、「近松門左衛門の碑」と「猫塚」は、関係者にとっては今でも祈りの場なのだろう。

毎年11月22日・23日に、今池本通商店会により、近松猫塚芸能祭が開催されている。

【ご利益】
スポーツ・技芸上達、諸願成就
松乃木大明神 大阪府大阪市西成区太子
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