奈良期の開村時に勧請、明治期に吉見藩の陣屋、玉ねぎの碑
[住所]大阪府泉南郡田尻町吉見952
[電話]072-465-0465

春日神社(かすがじんじゃ)は、大阪府泉南郡田尻町吉見にある神社。近代社格では村社。御朱印の有無は不明。

奈良時代の宝亀年間(770年-781年)、吉見小佐治という人が今の南海本線・吉見ノ里周辺を開拓して村を興した。

その時、その祖である春日大明神を勧請、奉斎したという。御祭神は、武甕槌命齋主命天児屋根命大日霊貴命

明治3年(1870年)に神社境内に吉見藩の陣屋が置かれた。その際、社地1万7000坪あまりの中から6000坪が接収された。

その藩主の遠藤氏は近江国三上藩から移ってきたが、翌年の廃藩置県により吉見藩は廃藩。遠藤氏とその家臣の多くは近江へ戻っていき、建物も破却された。

当社地を接収した土地はその後民間に払い下げられ、他にも順次、民有地にされ、当社地は狭くなっていった。ただし、後に接収分は当社に寄贈された。

明治5年(1872年)、村社に列し、明治40年(1907年)には近隣のいくつかの神社を合祀した。

西向きに鳥居が並び、参道途中に南面して本社が鎮座、本殿は四祠が並ぶ。参道突き当りに境内社の若宮神社(天押雲根命)がある。

他に、稲荷神社(保食命)、厳島神社(市杵嶋姫命)、多聞天神社(大山祇命)、日向神社(太田命)、事代主神社(八重事代主命)、大将軍神社(磐長姫命)、八坂神社(素盞嗚命)が点在する。

例祭は10月9日・10日で、御例祭。10日には櫓宮入式がある。1月には事代主神社の例祭である十日戎祭がある。

境内には日露戦争出征者碑や神馬がある。なお、この神馬は太平洋戦争中に持ち去られてしまい、戦後に作り直されたため、台座と本体が分かれている。

また、日本でも珍しい「玉ねぎ顕彰碑」がある。地元では、「玉ねぎの碑」と呼ばれている。明治時代の後半にこの地にタマネギ栽培が伝わった。

これにより田尻町は日本で最も早くタマネギを栽培し始め、今でも米の裏作として「泉州玉ねぎ」という品種を栽培している。

この栽培技術を伝えた人たちを称えるためにこの碑は建てられた。なお、この「玉ねぎ顕彰碑」は府道250号線から見ることができる。

当社境内には木々が多い。松、楠、桜、樫など、また春日神社らしく藤棚もある。広い林が左側にある。

道を挟んで向かい側に児童公園があり、当社境内とともにこの地域の子供たちの遊び場となっている。

【ご利益】
出世開運、開運招福、武運長久・勝運、商売繁盛
春日神社 大阪府泉南郡田尻町吉見
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