京都賀茂社の御神体の霊箱が漂着した地、桃山期の本殿
[住所]大阪府阪南市箱作1655
[電話]072-476-1135 - 菅原神社

加茂神社(かもじんじゃ)は、大阪府阪南市箱作にある神社。近代社格では村社。現在は近くの菅原神社が兼務している。御朱印の有無は不明。

創建は平安時代初期、嵯峨天皇の弘仁4年(813年)、当地が京都賀茂神社領の箱作荘(筥造荘)だった際、玉依比売命を勧請し、奉斎されたと伝えられている。

箱作の地名の由来として、一説に、京都下鴨神社の社殿改築に際し、御神体を奉安する御霊箱を新たに造り替えた。

その際、旧箱を加茂川に流したところ、淀川を下って、大阪湾より当地の海岸に漂着。里人がこの箱を改めると、御神体が入っていたので、当地に社を建立したという。

以後、当地は箱着里(はこつくり)と呼ばれるようになり、箱作の字が充てられるようになったという。『土佐日記』にも、「はこのうら」などと見える。

もう1柱の御祭神である高龗神は、やはり京都の貴船神社を勧請したものとされるが、由緒や年代は不明。

高龗神の社はもともと当社の南方200メートルの赤掛山にあって、北面に海を見渡す眺望絶佳の地だった。

しかし、鎮座地前面にある箱の浦を通行する船が、暴風波の難に遭うことが多く、それは神慮にかなわないためとして、当社に合祀されたという。

当社は明治5年(1872年)、村社に列し、明治40年(1907年)1月には神饌幣帛料供進社に指定された。

明治40年12月23日には無格社戎神社(恵比須神社・浜宮戎神社。事代主大神)を、大正5年(1916年)5月30日には無格社池嶋神社(大山祇命)を境内末社池島神社に合祀した。

京都上賀茂神社を模して創建された檜皮葺きの本殿は、安土桃山時代の建立で、市内に残る唯一の檜皮葺き社殿。府の文化財に指定されている。

この本殿は一間社流造で、身舍の彫刻は、彩色はかなり落ちているものの、相当な腕前の職人の手によるものと考えられ、見事なもの。

桁行2間、梁行2間半、5坪。建築当初の様式を良く残している。また、拝殿は桁行4間、梁行2間、8坪で、平成25年(2013年)に新築された。

平成25年は当社の創建1200年の節目にあたり、同年9月8日に下鴨神社より神職を迎え、創建1200年祭が斎行された。

例祭は10月第2日・第3月曜日。10月初旬の日曜日には、市のやぐらパレードがあり、当社氏地の箱作西も参加する。また、8月14日・15日には境内で箱作西地区の納涼盆踊り大会が開催される。

境内社に、先の恵比須神社や池島神社の他、大国神社(大国主神)、川合神社(玉依比賣命)、神明神社(天照大御神)、若宮神社(天押雲根命)、厳島神社(市杵嶋比売命)、稲荷神社(豊宇気毘売命)がある。

【ご利益】
地域安全、子宝・安産、家内安全、五穀豊穣・商売繁盛
加茂神社 大阪府阪南市箱作
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