もと式内・家島神社? 天神祭で当社火を採火、白髭霊祠
[住所]兵庫県姫路市家島町宮
[電話]079-325-0365 - 家島神社

宮浦神社(みやうらじんじゃ)は、兵庫県姫路市家島町宮にある神社。白髭霊祠とも呼ばれる。御朱印の有無は不明。

延喜式』巻9・10神名帳 山陽道神 播磨国 揖保郡「家島神社」に比定される式内社(名神大社)の参考社。

縁起によれば、平安時代後期、比叡山の僧である覚円(1031年-1098年)、門徒とともに坊勢島に渡海し、居を構えた。

ある夜、霊夢を見て、故郷の琵琶湖の景色に似た当地に白鬚大明神を勧請した。以来、この地は宮浦と呼ばれ、当社名は家嶋白鬚大明神と称したという。

境内入口の石鳥居は、江戸時代前期の元禄5年(1692年)建立と刻まれ、当時は、近江の白髭神社の湖中大鳥居を思わせるような、海中に建っていたという。

当社は江戸時代末期まで、「家島神社」だと考えられていたとも。ただし、現在に伝わる縁起による創建年代では、『延喜式神名帳』の後になる。

一方で、当社の創建は、『延喜式神名帳』よりも前の、平安時代前期の元慶7年(883年)とされる場合がある。

現在、式内社「家島神社」は、近くに鎮座する式内同名神社がある。その家島神社は諸島総鎮守とされ、当社との関係はもとより深い。

7月に家島神社を中心に全島を挙げて行われる天神祭では、当社で観神火を採火することから始まる。

この日は沢山の提灯に燈され、町中を巡り、家島神社に遷される。当社が、この島一番の祭りの重要な役割を担っていることになる。

どちらにしろ、当社地の風光明媚さは古くより知られており、『播磨鑑』の漢詩では、以下のように表現され、「家島十景」の一つ。
入江のほとりは小さな山に囲まれて、青く澄んだ海は穏やかだ。高い帆柱を横にして小さな流れに舟をつないでいる
明治に入り、神仏分離の政策によって、白髭の文字が仏語のようであるとして、社名を現社号に改称した。同時に、地蔵・鐘撞堂も移設された。

もとの社殿は、江戸時代中期の天明5年(1785年)に建立された壮麗なものだったが、傷みがひどく、昭和63年(1988年)に社殿を改築した。

旧拝殿を装飾していた彫刻の一部は、現在の社殿内に受け継がれている。

御祭神は、猿田彦神天照皇大神武甕槌神底筒男神。境内末社に、竃社(奥津彦神奥津姫神)、恵美酒社(蛭子大神)がある。

飛地境外末社として、家島町宮字長崎に鎮座する海神社がある。

例祭は11月2日・3日。巫女による神楽や湯立てが行われ、西播磨地区に多い神輿型屋台1基や子供神輿が練り出す。

平成9年(1997年)に境内に隣接して、常設展示型の屋台蔵が完成し、いつでもその美しい姿を見ることができる。

御神木は柏槇伊吹(びゃくしんいぶき)で、樹高約8メートル、幹回り約2.7メートル。カイヅカイブキとも呼ばれ、樹齢は1000年に達するとも。

【ご利益】
家内安全、地域安全、開運招福、海上・交通安全
宮浦神社 兵庫県姫路市家島町宮
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