加古川東岸、蛇退治の伝承と洪水除け期待、いわれある三体の神像
崎宮神社 兵庫県加古川市尾上町養田410
[住所]兵庫県加古川市尾上町養田410
[電話]0794-35-2918 - 阿閇神社

崎宮神社(さきみやじんじゃ)は、兵庫県加古川市尾上町養田にある神社。崎の宮神社とも。御朱印の有無は不明。

第33代推古天皇の御代、この辺りに雌雄の大蛇が棲んでいて、人々を苦しめたので、聖徳太子須佐之男命が出雲の簸川で八岐大蛇を退治した故事に鑑み、当地に鎮祭したと伝わる。

この大蛇を尾上城主長田久須比という人が退治しようと、その雄蛇を斬って一目散に逃げ帰り、今の長田の尾上市場のあたりまで来て初めて後をふり返ったという。

その場所に生えていた松を、後に「見返りの松」といい、昭和初期まで古松亭々として聳えていたという。

大蛇を埋めた所に祠を建て、「蛇大歳」と称していたが、加古川の河川改修の際に川敷となり、今は川原となってその場所は定かでない。

なお、雌蛇はその後、海に逃れ去ったという。

御祭神は、大己貴命・須佐能男命・稲田姫命。当社は加古川東岸に鎮座し、加古川西岸には当社と同じ御祭神を祀る高砂神社がある。

『播磨鑑』によれば、9月11日の宵宮に、高砂神社から当社へ神輿が巡行し、これを迎えて、川船で11日の未明まで神事を行っていたという。

ただし、この神事や行事は江戸時代の始めには行われなくなっていたという。当初は当社が高砂神社より上位だったが、そうではなくなった、ということか。

どちらにしろ、両社には深い関わりがあり、蛇の伝承も含め、加古川の洪水封じ、洪水時の減災を期待する役割を両社は担っていたとの指摘もある。

当社には、神像三体、二体は男性像、一体は女性像が伝わるという。

昔、洪水が起こった時、加古川岸の柳の木の下に三体の木像が流れてきた。やがて水は治まり、この後、この木像はいろいろな霊験を現した。

そこで、これらを着飾った馬に乗せて、鼓笛を鳴らし幟を立てて納めようとしたところ、神前で馬は留まり、鞭を打っても動かなくなった。

その時突然、一人の男の子が現れて、狂ったように「神像はこの崎宮に留まるべきものである」と口走ったという。周囲はこれを御託宣と受けとめたという。

昭和61年(1986年)5月、損傷が激しかった玉垣について、新たに600本を奉納し、再建したが、その折、社殿が不慮の火災で焼失した。

昭和62年(1987年)9月、本殿、幣殿、舞殿を再建し、同時に拝殿の屋根を銅版葺きに改築した。

当社では7月に祇園祭が行われるという。なお、当社は旧加古郡において、毎年春、3月末から5月初頭のいずれかに行われる臨時の祭り、国恩祭を行う神社の一社。

境内社に、琴平神社・崎宮恵美須神社(事代主命)がある。随身門があり、その前には、旧名の池田村と刻まれた灯篭が建っている。

【ご利益】
減災、厄災除け、大漁満足、夫婦和合、家内安全、病気平癒
崎宮神社 兵庫県加古川市尾上町養田
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