誓約の神と破る神を祀る、歳末大売り出しの発祥、八坂神社の境外社
[住所]京都府京都市下京区寺町通四条下る貞安則之町
[電話]-
冠者殿社(かんじゃでんしゃ)は、京都府京都市下京区寺町通四条下るにある神社。八坂神社の境外末社。官社殿社とも。参拝すれば、御朱印を頂ける。
創建は不詳。もとは烏丸高辻にあった八坂神社大政所御旅所に鎮座していたが、天正19年(1591年)、豊臣秀吉の命により、御旅所が現在地に移転した時、樋口高倉の地に遷座した。
その地は現在の官社殿町だったが、さらに慶長年間(1596年-1615年)の初めに現在地に遷座した。
幕末の文久3年(1863年)、社殿が焼失し、その後再建された。明治45年(1912年)、四条通拡張に伴い、旧社地より南方に後退した。
御祭神は、素盞嗚尊の荒魂。八坂神社の境内社である悪王子社と同じ。現在は当社も素戔嗚尊奉祀神社「全国清々会」に加盟している。
素盞嗚尊は、姉の天照大神と誓約を行ったことで知られており、そのことから誓文の神となっている。
一方で平安時代末期、源頼朝の命を受けた土佐坊昌俊は、事前に暗殺の意志がないと誓紙に書いたにもかかわらず、その日のうちに源義経を襲おうとした。
しかし、武蔵坊弁慶に捕まって、昌俊は処刑された。誓いを破った昌俊も当社で祀られ、近世以後は契約に関わりが深い商人から信仰を集めるようになったという。
一方で、例えば、幕末には、馴染み客をつなぎ止めるために偽の恋文をしたためた祇園の遊女が、当社で偽りの恋心を払ったともいう。「払う」神でもあった。
往時の商人は、神に商売ができることへの感謝と、利益を得ることに対する償いの意識を持っていたという。
この感謝と償いの意識により、年一回の大安売りをして、お客に利益を還元する商道徳が生まれたという。
つまり、誓文払いで、本来は陰暦10月20日の戎講の日に、京都の商人や遊女が当社に参詣し、商売上の駆引きで客を欺いた罪を払い神罰を免れるように祈った行事。
江戸時代以来の風習で、この日、京都・大坂の商店が安売りを行なったことから、後には商店の売出し行事となった。
一般には現在において、例えば、歳末大売り出しセールなどとして浸透している。
この誓文払いの精神を受け継ぎ、商人は商売繁盛を、一般は神の清き心を頂き、家内安全で過ごせるよう願って、新暦10月20日は今でも多くの参拝客で賑わう。
いわゆる八坂神社冠者殿社祭で、京都の秋の風物詩。商売繁盛の御神符が授与され、御旅町商店街主催による福引が行われたり、御神酒が振る舞われたりする。
また、一切無言で参詣しなければならないという、珍しい風習が伝わる。一言でも喋れば、願い事は破れると言われ、別名「無言詣(むごんまいり)」と呼ばれている。
現在も、芸舞妓の間に伝わり、祇園祭の神幸祭で御旅所に神輿が安置された日から還幸祭の前日までの7日間、毎日、無言でお参りする無言詣が行われている。
社前に建つ鳥居は、提灯の灯りを捧げ、誓文払いと商いの伝統を広め伝えることを目的に設立された、当社崇敬会が設立10周年の節目に奉納したもの。
伊勢の神宮(伊勢神宮)の第62回式年遷宮による撤去材により、平成27年(2015年)3月29日に竣工した。
【ご利益】
商売繁盛、家内安全
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冠者殿社(かんじゃでんしゃ)は、京都府京都市下京区寺町通四条下るにある神社。八坂神社の境外末社。官社殿社とも。参拝すれば、御朱印を頂ける。
創建は不詳。もとは烏丸高辻にあった八坂神社大政所御旅所に鎮座していたが、天正19年(1591年)、豊臣秀吉の命により、御旅所が現在地に移転した時、樋口高倉の地に遷座した。
その地は現在の官社殿町だったが、さらに慶長年間(1596年-1615年)の初めに現在地に遷座した。
幕末の文久3年(1863年)、社殿が焼失し、その後再建された。明治45年(1912年)、四条通拡張に伴い、旧社地より南方に後退した。
御祭神は、素盞嗚尊の荒魂。八坂神社の境内社である悪王子社と同じ。現在は当社も素戔嗚尊奉祀神社「全国清々会」に加盟している。
素盞嗚尊は、姉の天照大神と誓約を行ったことで知られており、そのことから誓文の神となっている。
一方で平安時代末期、源頼朝の命を受けた土佐坊昌俊は、事前に暗殺の意志がないと誓紙に書いたにもかかわらず、その日のうちに源義経を襲おうとした。
しかし、武蔵坊弁慶に捕まって、昌俊は処刑された。誓いを破った昌俊も当社で祀られ、近世以後は契約に関わりが深い商人から信仰を集めるようになったという。
一方で、例えば、幕末には、馴染み客をつなぎ止めるために偽の恋文をしたためた祇園の遊女が、当社で偽りの恋心を払ったともいう。「払う」神でもあった。
往時の商人は、神に商売ができることへの感謝と、利益を得ることに対する償いの意識を持っていたという。
この感謝と償いの意識により、年一回の大安売りをして、お客に利益を還元する商道徳が生まれたという。
つまり、誓文払いで、本来は陰暦10月20日の戎講の日に、京都の商人や遊女が当社に参詣し、商売上の駆引きで客を欺いた罪を払い神罰を免れるように祈った行事。
江戸時代以来の風習で、この日、京都・大坂の商店が安売りを行なったことから、後には商店の売出し行事となった。
一般には現在において、例えば、歳末大売り出しセールなどとして浸透している。
この誓文払いの精神を受け継ぎ、商人は商売繁盛を、一般は神の清き心を頂き、家内安全で過ごせるよう願って、新暦10月20日は今でも多くの参拝客で賑わう。
いわゆる八坂神社冠者殿社祭で、京都の秋の風物詩。商売繁盛の御神符が授与され、御旅町商店街主催による福引が行われたり、御神酒が振る舞われたりする。
また、一切無言で参詣しなければならないという、珍しい風習が伝わる。一言でも喋れば、願い事は破れると言われ、別名「無言詣(むごんまいり)」と呼ばれている。
現在も、芸舞妓の間に伝わり、祇園祭の神幸祭で御旅所に神輿が安置された日から還幸祭の前日までの7日間、毎日、無言でお参りする無言詣が行われている。
社前に建つ鳥居は、提灯の灯りを捧げ、誓文払いと商いの伝統を広め伝えることを目的に設立された、当社崇敬会が設立10周年の節目に奉納したもの。
伊勢の神宮(伊勢神宮)の第62回式年遷宮による撤去材により、平成27年(2015年)3月29日に竣工した。
【ご利益】
商売繁盛、家内安全
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