陰陽道や風水学などの根幹「妙見さん」、謂れある鎌倉期の梵鐘
[住所]和歌山県伊都郡かつらぎ町滝946
[電話]-

北辰妙見神社(ほくしんみょうけんじんじゃ)は、和歌山県伊都郡かつらぎ町滝にある神社。御朱印の有無は不明。

創建年代は不詳。『紀伊続風土記』四郷瀧村の条に「妙見社」とある。そこには、摂社星宮・鐘楼・拝殿が記されている。

一般に「北向きの妙見さん」と呼ばれている主祭神、妙見尊は、北極星と北斗七星つまり天の中央を定位とする「北辰」を指し、この星を神格化した御神霊である。

また、陰陽道や風水学などの根幹となっている神でもある。現在までに、素盞嗚命蛭子命誉田別命三筒男命市杵嶋姫命を配祀している。

御神徳は、北天にあって動かないところから宇宙の全てを支配・掌握する神として崇められ、方位守護また人の運命を守護すると言われ、和泉山脈の谷あいにある立地から大阪方面からの参拝者も多い。

この滝地区は、古くから神仏に対する信仰が篤く生活に密着していたようで、神社の近辺には5つの寺院とお堂があった。

本殿は、もとは権現造であったが、明治時代に流造の、千木鰹木造で彩色を施した形式に建て替えられた。その後は20年ごとに造営が行われている。

主な建造物に、木造銅板葺流造の本殿の他、木造瓦葺の拝殿、木造銅板葺流造の蛭子社、木造瓦葺の星供堂、社務所がある。

鎌倉時代の文永2年(1265年)の銘がある梵鐘が伝わる。県の文化財に指定されている。この梵鐘には謂れがある。

大阪府和泉市春木町の春日神社に、往時は神宮寺として医王山宗福寺という文永2年建立の巨大伽藍があった。

しかし、宗福寺は安土桃山時代の天正年間(1573年-1592年)の兵火ですべて焼失。ただし、宗福寺の梵鐘は一夜にして当社に飛来した、というもの。

所有文化財以外にも、近隣の極楽寺所有で、白鳳時代作で県下最古の仏像である「金銅半跏思惟弥勒菩薩像」が国の重要文化財に指定されている。

また、滝区所有で、嘉禄3年(1227年)の奥書がある「大般若経569巻」が県の文化財に指定されている。

【ご利益】
方除け、諸願成就、厄災除け、交通安全
北辰妙見神社 和歌山県伊都郡かつらぎ町滝
【関連記事】
和歌山県の神社 - 本サイトに掲載されている神社で、和歌山県に鎮座している神社の一覧