磐船、浪石、燈明岩などの巨岩・奇岩、住吉信仰、10月にだんじり
[住所]大阪府南河内郡河南町平石484
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磐船大神社(いわふねだいじんじゃ)は、大阪府南河内郡河南町平石にある神社。磐船神社とも。御朱印の有無は不明。

御神木の栂(とが)にちなみ、栂の宮(とがのみや)とも呼ばれ、「樛宮」とも書く。

境内には、舟の形をした岩が48個あるといわれており、磐船、浪石、燈明岩などの巨岩・奇岩を見ることができる。

巨石の上部に、約13メートルもの長さの磐座が鎮座している。

『先代旧事本紀』天孫本記に、「饒速日命、十種のみたからを奉じ、天磐船に乗りて河内国河上の哮峰(たけるがみね)に天降り給う」とある。

当社の草創もこれに由来すると思われ、古い時代は山を御神体として崇めてきたという。

この付近は蘇我氏の地盤で、物部氏の入り込む余地はないとされるが、磐座が多く、磐船を連想させたため、当地に饒速日命の伝承ができたともいう。

なお、当社から見て南、それほど遠くない町内持尾山中にも同名の神社がある。

御祭神は天照國照彦天火明櫛玉饒速日尊・天照大神高皇産霊神底筒男命中筒男命表筒男命住吉三神応神天皇可美真手命御炊屋姫命大山祇命を配祀する。

江戸時代には、高貴寺の慈雲(1718年-1805年)が、葛城神道を広めるにあたり、道場として社殿を建立した。

『日本輿地通志』河内志には、高喜寺について「在神下山、相伝上古有天神降于此峰云、僧空海建正堂、安置高喜徳王菩薩像、因以名寺、有神祠称石船」とある。

吉田東伍『大日本地名辞書』によれば、高喜寺の本尊である高喜徳王は中世に住吉大神の本地仏とされた。

住吉大社神代記』で住吉大神の祭祀には天野・錦織・高尾張・胆駒・甘南備山のほか、石川のものをもって行うとされている。

当地にも住吉信仰の影響が及んでいた、と考えられている。また、『河内名所図会』には「磐船明神」と記載されている。

明治初年(1868年)、神仏分離により、高貴寺と分離し、独立した。現在までに摂社に、豊受大神ほか5柱を祀る。

10月第3金・土・日曜日に秋祭りが行われる。いわゆる南河内だんじり祭りの一つで、地車(だんじり)の曳行がある。

なお、当社から北方50キロほどの、交野市私市にも磐船神社があり、磐船神社といった場合、交野市私市の方が有名か。

【ご利益】
一族・子孫繁栄、開運招福、身体壮健
磐船大神社 大阪府南河内郡河南町平石
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