区内で最も早く陸地化、伊興遺跡、舟運の要所、区内最古の氷川社
[住所]東京都足立区東伊興2-12-7
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淵の宮氷川神社(ふちのみやひかわじんじゃ)は、東京都足立区東伊興にある神社。近代社格では村社。伊興氷川神社とも呼ばれるが、正式には氷川神社のみ。御朱印の有無は不明。

奥東京湾の海中にあった足立区が、陸地化していく過程で、この附近が最も早く陸地となったと考えられている。

大宮台地あたりからの移住者が、武蔵国一宮である大宮の氷川神社から御分霊を勧請したとされるが、具体的な創建年代は不詳。

ただ、一帯は伊興遺跡として古墳時代の遺物を多数出土しており、社殿は古墳の上に立てられたのではないかと推定され、区内最古の氷川神社とされる。

創建当時は淵が入り組んでいて、舟運の要所だったため、「淵の宮」と呼ばれ、また区内一帯の呼称として、淵江郷・淵江領が生じた起源にもなっている。

御祭神は、須佐之男命大己貴命櫛稲田姫命。古くから足立郡淵江領48ヶ村の総鎮守として信仰を集めてきた。

『新編武蔵風土記稿』伊興村の条にも「氷川社」とあり、「當村及ぶ竹塚・保木間三村の鎮守」とある。別当は覚蔵院だった。

また、「社中に慶長十四年二月十八日の棟札あり、其表面に伊興村氷川大明神、大檀主御代官河内輿兵衛知親」とあるという。

現在も祭祀は、かつての伊興村の小西嶋・北根・狭間・早房・横沼・下戸・大西嶋・駅前の8ズシの各ズシから選ばれた総代によって諸行事が実施されている。

例祭は9月29日。12月31日には大晦日祓、1月6日には歳旦祭がある。

境内社に、三峰神社・稲荷神社・浅間神社・熱田社・白旗社がある。また、阿邪訶大神(あざかおおかみ)の石碑がある。

「阿邪訶」は、そのまま猿田彦命を指す。『古事記』に猿田彦命が溺れ死んだ場所として記載されている。

境内は他に、文政2年(1819年)の手水鉢があり、乃木大将の記念碑、伊興町土地改良区之誌の竣功記念碑もある。

当社の斜め前に「伊興遺跡」があり、竪穴式住居のレプリカ、方形周溝墓や入館無料の資料館があり、当地の「古代」を体感できる。

【ご利益】
厄災除け、家内安全、夫婦和合、縁結び
淵の宮氷川神社 東京都足立区東伊興
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