南北朝期再興の記録、江戸末期の社殿と銅製の注連縄、4年ごと大祭
[住所]東京都江戸川区平井7-28-5
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平井天祖神社(ひらいてんそじんじゃ)は、東京都江戸川区平井にある神社。近代社格では村社。平井天祖香取神社とも呼ばれる。御朱印の有無は不明。

創建年代は不詳だが、江戸時代まで、南北朝時代の貞和4年(1349年)に再興した旨が記された棟札が現存していたという。

御祭神は天照皇大御神(大日孁命)、合殿に布都主命武甕槌命を祀る。別当は安養寺だった。旧中平井村の鎮守として崇敬された。

『新編武蔵風土記稿』によれば、「神明鹿島香取合社」とあり、もとは村の中央にあったが、いつの頃か現在地に遷座したという。

江戸時代前期の貞享4年(1687年)に再建、江戸時代後期の文化4年(1807年)に修繕の記録が残る。

明治7年(1874年)、村社に列した。明治13年(1880年)の「災害も疫病も免れる御神徳への報恩」などと記された板書が現存する。

2本ある鳥居の注連縄は銅製の鍛造によるもので、昭和3年(1928年)に鳥居を改修したおりに奉納された。

藁で編む注連縄の穂先や根元まで銅板で作られた精巧で珍しいもの。製作者は地元でブリキ屋を営んでいた川本清吉。拝殿前小鳥居は、平成5年(1993年)に補修再建された。

当社の本殿は三間社流造、区内ではほとんど見ることのできなくなった萱葺きで、江戸末期の神社建築として貴重だとされる。区指定有形文化財。

主部材はケヤキで、柱はヒノキ、はめ板はスギ、屋根の萱葺きを銅版で覆っている。屋内には2本の八角の柱を建て、他の柱も内部は八角、外部は円になっている。

外壁面には鳥をモチーフにした精緻な彫刻が多数ある。松に鶴、梅に鶯、そのほか鶏、雀、鷲、水鳥などで、脇障子の両面にも彫刻が施されている。

例祭は8月下旬。4年ごとに大祭があり、大神輿が担がれ、神輿渡御が行われる。正月になると鳥居に大きな円い輪のしめ縄が設置され、8の字にくぐってお祈りする。

境内社に、香取神社・水神社がある。

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平井天祖神社 東京都江戸川区平井
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