平井諏訪神社（ひらいすわじんじゃ）は、東京都江戸川区平井にある神社。近代社格では村社。参拝すれば、御朱印を頂ける。

江戸時代中期の享保年間（1716年-1735年）、燈明寺の惠祐法印が、出身地である信州の諏訪大社から御神霊を勧請して創建したという。

ちなみに、後述の4年に一度の大祭などでは、長野県下諏訪町から諏長持保存会のメンバーが来訪して長持ちときやりが披露されるなど、現在も諏訪大社との関係は深い。

当社の御祭神は建御名方命。下平井村の鎮守社として崇敬されたが、『新編武蔵風土記稿』には「今は全く聖天の末社の如くなれり」とある。

別当はこの、隣接する平井聖天だった。天保15年（1844年）11月、本殿が再建された。これが旧本殿で、外壁彫刻が江戸後期の神社建築の過渡的な特色をよく伝えているという。

一間社流造で、向拝紅梁に巻きつく龍や木鼻に施された籠彫りの唐獅子などに精緻な彫刻技術を見ることができる。

明治5年（1872年）、村社に列し、明治39年（1906年）に拝殿を新設し、昭和8年（1933年）には四所神社・稲荷神社を合祀した。

現在までに合祀祭神として、春日明神をも祀る。昭和11年（1936年）には境内全般が低湿だったため、氏子の浄財により境内を土盛、社殿の改修が行われた。

昭和42年（1967年）、現在の社殿が新築され、天保15年再建の本殿は、境内北隅に鎮座する稲荷神社社殿となった。この旧本殿は現在、区登録有形文化財。

旧本殿の拝殿は、区内松江1丁目の稲荷神社（赤稲荷神社）の社殿として移築された。

境内社は他に、浅間神社・水神社・八幡神社・小御嶽神社がある。浅間神社は、「平井の富士塚」。絵着色富士講奉納図額とともに、区登録有形文化財。

この富士塚は、大正9年（1920年）頃、旧下平井村の丸富講の人びとによって築造されたもの。図額は大正2年（1913年）に奉納されたもので、絵馬堂に安置されている。

他に、乃木希典揮毫による明治三十七八年戦役記念碑がある。

例祭は9月17日を中心とした土・日曜日。本社神輿が町内を巡行する。4年に一度の大祭では重さ1トンを超える本社神輿が平井の町を練り歩く。

【ご利益】
五穀豊穣、武運長久・勝運、生命の根源、生活の源を守る神

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