氷川三所明神の一つ、一説に地区の一の宮、7月中旬に盆踊り
[住所]東京都世田谷区宇奈根2-13-19
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宇奈根氷川神社(うなねひかわじんじゃ)は、東京都世田谷区宇奈根にある神社。近代社格では村社。御朱印の有無は不明。

多摩川と野川に挟まれた細長い地形に、宇奈根がある。当社の創祀・創建年代は不詳だが、古来より稲作などが盛んだったという。

御祭神は素盞嗚尊喜多見町、大蔵町のそれと共に氷川三所明神の一つとされている。現在はその喜多見神社の兼務神社である。

大蔵氷川神社の社伝によれば、領主江戸氏が足立郡大宮の氷川を移して、大蔵、宇奈根、喜多見に祀るとある。

石井至穀『大蔵村旧事項』によれば、宇奈根に大己貴尊(一の宮)、大蔵に素戔嗚尊(二の宮)、北見に奇稲田姫(三の宮)、石井戸大神宮に手摩乳(四の宮)、岩戸八幡に脚摩乳(五の宮)が勧請されたとある。

天明年間(1781年-1789年)の末年、国学者橘千蔭が当社に参詣し、下記の和歌を詠んだという。
うしことの うなねつきぬきさ きくあれど うしはく神に ぬさ奉る
『新編武蔵盟風土記稿』にも記載され、村の鎮守で、村内の観音寺が別当を務めたとある。

明治4年(1871年)、村社に列した。明治14年(1881年)に村内の神明社が境内に移された。

宇奈根は川の流路の変更により、現在も対岸の川崎市に同じ地名の地域がある。以前までは渡しもあり、比較的気軽に当社に参拝できていたという。

しかし、現在は渡しもなくなり、多摩川にかかる橋まで行って、大きく迂回しなければ行き来ができなくなっており、対岸同士の交流も途絶えたという。

この川向こうの川崎市宇奈根にも、同名の神社がある。当社の御分霊を昭和2年(1927年)に遷したもの。戦後の昭和27年、神社として独立した。

当社は戦災に遭ったものの、もとの神明社の土地を売るなどして費用を捻出、昭和37年(1962年)10月には再建された。

ただし、老朽化が激しくなり、平成11年(1999年)、新たな社殿が新築された。

境内には、樹齢数百年を経たと思われる銀杏(イチョウ)の大木があるが、地上10メートルほどのところで切断されている。

そのかたわらから数本の枝が出ており、まだ樹勢の衰えは見せていない。

例祭は、もとは9月26日だったが、台風の季節で、対岸の川崎市側に渡れないとの理由で、昭和に入ってから10月に変更された。

現在は10月第2月曜日。以前まで行われていた、神輿の対岸への渡御もなくなり、神事と神輿渡御のみの祭りになっている。

現在、当社が盛り上がるのは、7月中旬の週末に行われる盆踊り。巨大な櫓が設営され、うなね太鼓の会によって鼓が叩かれる。

櫓を中心に囲むようにテントが配置され、境内はライトアップされる。ただでさえ、当社境内は広々としており、大勢が参加する盆踊りには最適で、雰囲気は抜群。

【ご利益】
家内安全、夫婦和合、厄災除け、地域安全
宇奈根氷川神社 東京都世田谷区宇奈根
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