奈良期に勧請、宇治茶産地の祈雨の神、明治に新羅社遷座
[住所]京都府宇治市莵道東中26
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厳嶋神社(いつくしまじんじゃ、厳島神社)は、京都府宇治市莵道東中にある神社。御朱印の有無は不明。

三室戸駅から北東数キロ程度の集落の中に南面して鎮座する。入口の鳥居をくぐると太神宮の鳥居と祠があり、さらに東へ進むと社殿は二社並ぶ。

手前が摂社の新羅神社、向こうが厳島神社。ともに山裾の南側に南面している。厳島神社の社殿は、東から熊野・菅原・厳島・八幡・稲荷の五社が三間に並ぶ。

奈良時代の宝亀8年(777年)、雨乞いの神として勧請されたという。御祭神は厳島大神、つまり市杵嶋比売命である。

当地は宇治茶の主要産地であり、祈雨の神として崇敬され続けた。

江戸時代には弁財天社と呼ばれ、元禄年間(1688年-1704年)に現在地に遷るまで、西方の、古代の三室津の跡と推定される地に祀られていたという。

付近の三室戸寺は、明星山の北西部の山中にあり、観音菩薩を本尊とする。平安時代に天台宗の寺院として、近江の園城寺の別院として創建された。

園城寺の新羅善神堂が勧請された。鎮守社として十八神社があったが、明治10年(1877年)、この新羅明神が当社に遷座した。現在の摂社新羅神社である。

新羅明神については、「素盞鳴尊御子なり母は稲田姫尊五十猛尊紀州名草の社、近江国新羅大明神是なり」とあるという。

「紀州名草の社」は、紀伊国名草郡の名神大社、現在の和歌山市伊太祈曽にある伊太祁曽神社のことだろう。

当社は神職がおらず、自治会で班を決めて、当番制で管理をしている。厳島神社には祭事が年に5回執り行われ、その中でも最も賑わうのが、毎年11月3日の秋祭り。

秋祭りでは、地域を12個のグループに分けて、グループで一つの花笠車を作成し、花笠車と神輿をその地域の子どもたちが引っ張り練り歩く。

また、近隣には六つの神社があり、6年に一度、地域の祭りを行う当番制にもなっているという。

元禄10年(1697年)の棟札や灯籠、手水鉢がある。

【ご利益】
祈雨・気候、五穀豊穣・商売繁盛、地域安全
厳嶋神社 京都府宇治市莵道東中
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