高浜神社（たかはまじんじゃ）は、大阪府吹田市高浜町にある神社。近代社格では村社。参拝すれば、御朱印を頂ける。

具体的な創祀年代は不詳。河内国で栄えた次田邑の豪族である次田連の一族が淀川に渡り移住し、次田村を興したのが「吹田」の始まりとされる。

そこで次田氏がその祖神である火明命、天香山命の二柱を祀って氏神として奉斎したのが当社の起源だという。

社名は地名である高浜にちなむものだが、高浜は吹田の別称、歌枕であり、当社も昔から「吹田大宮」「吹田神社」とも呼ばれ、吹田総社だった。

また、『摂陽群談』『摂津名所図鑑』などでは「名就神社」とも称し、「二魂坊」「日光坊」の脳（なづき）を祀るとしている。

奈良時代の天平7年（735年）、行基が訪れ、当社の西方に石浦神宮寺を建立し、これを浜之堂と名付けた。現在の慧日山常光円満寺である。

これと同時に当社に牛頭天王を勧請、浜之宮牛頭天王社と称した。

平安時代前期の貞観11年（869年）、播磨国広峰山に鎮座していた牛頭天王（素戔嗚尊）を山城国八坂郷、現在の八坂神社に遷座。

その途中、神崎川を船で進み、高浜にさしかかった際、高浜の上手が急に荒れたので、しばらく川の中の小島に避難したという。

そこで、この島でも牛頭天王が祀られるようになり、天王島と呼ばれるようになった。その後、天王島のこの社は当社が合祀した。

鎌倉時代になると、当社前には太政大臣藤原（西園寺）公経、実氏父子による吹田山荘「吹田殿（すいたどの）」ができた。

多くの公家や僧侶が来訪しては歌を詠み、様々に記録されている。建長3年（1251年）には後嵯峨上皇が吹田殿に来て、当社に参詣、下記の歌を詠んだという。

来て見れば　千世も経ぬべし　高浜の　松に群れいる　鶴の毛ころも

南北朝時代の康暦2年（1380年）、道元六世の法孫大徹宗令の弟子である笠山得仙が、当社の西隣りに護国寺を建立。牛頭山と号した。

先の浜之堂も、この牛頭山護国寺も七堂伽藍をそなえ、足利将軍代々の祈願寺となり、当社はこの両院の守護神となった。

戦国時代になると、当地は軍事上の要地であるだけに、戦禍もひどく、天正年間（1573年-1593年）には当社も焼失。

元和元年（1615年）、大阪夏の陣の時、大阪天満天神社神輿吹田の郷土橋本家が当地に避難、そこで当社でも天満天神を祀るようになった。

元和3年（1617年）、当地の領主になった竹中右京進は当社の荒廃を嘆き、当社を再建した。

これを契機として、幕末まで、この竹中半兵衛の従弟の家系である竹中氏が領主として、当社を祈願社として位置づけた。

近世には円満寺と護国寺が当社の神宮寺・別当となったが、延宝6年（1678年）になり、両社が当社の支配権をめぐって対立し、訴訟に発展した。

この争いは元禄2年（1689年）になって、江戸の裁可を仰ぎ、「当社は両者のものでもなんでもなく、村の氏神である」との判決を得て、決着した。

しかし、元禄3年（1690年）には吹田村に大火が発生、「ろくんどやけ（六地蔵焼け）」と称される猛火により、当社も類焼して焼失した。

元禄6年（1693年）、本社を再建。これが現在の社殿となる。

安永4年（1775年）、神主従五位中務小輔岡本定吉が、当地吹田に関係の深い藤原氏の氏神である春日大神と、摂津国一宮の住吉大社御祭神である住吉大神を相殿に勧請、奉祀した。

寛政年間（1789年-1801年）には大阪の狩野派絵師として知られた後素軒橘保春が当社に逗留、二間四枚の襖に「松竹梅に鶴」を描き、これが現存して、社宝になっている。

明治になり、明治41年（1908年）、南高浜町鎮座の春日神社・白山神社・大明神社・菖蒲神社を合祀した。

以上までで、当社の主祭神は素戔嗚尊。他に、天照大神・春日大神・住吉大神・菊理媛大神・吹田祖神二座（火明命・天香山命）を祀る。

境内社の御祭神として、大国主命、事代主命、宇迦御魂大神、布留御魂大神（石上大神）、豊受姫大神、奥津彦大神・奥津姫大神、菅原道真公と、御神木の巳の神として、和加久寿大明神を祀る。

例祭は10月4日・5日で、秋祭りであり、湯立神楽が行われる。5月4日・5日は神幸祭（渡御祭）の春祭りで、御旅所への行列などがある。

7月末に行われる吹田まつりで曳行される6基の地車（だんじり）のうち、3基が当社で保管されている。8月4日・5日が夏祭りで、子供御輿が町内を巡行する。

1月9日-11日はいわゆる十日戎の戎大黒祭り（えべっさん）。1月15日にはとんど祭りがある。

【ご利益】
家内安全、病魔退散、開運招福、学業・受験合格、夫婦和合など（公式HP）

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