出雲系開拓民が奈良朝に創建、式内・石作神社を相殿に祀る
[住所]京都府京都市西京区大原野灰方町575
[電話]075-951-1025 - 長岡天満宮

大歳神社(おおとしじんじゃ)は、京都府京都市西京区大原野灰方町にある神社。御朱印の有無は不明。

延喜式』巻9・10神名帳 畿内神 山城国 乙訓郡「大歳神社」に比定される式内社(大社、月次・新嘗)。近代社格では郷社。現在、市の史跡である。

社伝によれば、奈良時代初期の養老2年(718年)2月に創建された。御祭神は、社名の通り、大歳大神。農耕生産、厄除を司る神。

素盞嗚命大市比売の子で、妹神(弟神)に稲荷神で名高い宇賀之御霊神がいる。つまり、出雲系。

当地が、山城から出雲への出口にあたるため、出雲系民族によって開拓され、その祖神を祀ったものだという。

当時は、かなりの大社だったようで、境内は、「栢森」と称され、栢(かしわ)の木が繁茂していたらしく、栢の社とも呼ばれていた。

相殿に祀られる石作神社も式内社。御祭神は石作神で、代々石棺を造っていた豪族の祖神。

その一族が、第11代垂仁天皇の后、日葉昨姫がおかくれの時に石棺を献上し、石作大連公の姓を賜った。

現在地である灰方の隣に石作という場所があり、石作氏の居住地だった。石作氏の衰微により、いつの頃か、当社に合祀された。

石作神社の旧地に関しては不詳だが、三鈷寺そばにある早尾神社であるとも、長峰にある八幡宮社であるともされる。

当社相殿の石作神社は、昭和49年(1974年)6月、愛知県岡崎市に建立された石工団地神社に分霊している。

当社は他に相殿に、彦火火出見命の后である豊玉姫命を祀る。明治6年(1873年)、村社に列し、昭和17年(1942年)には郷社に昇格した。

現在の本殿は、皇紀二千六百年事業として、長岡天満宮の本殿を移したものだという。昭和15年(1940年)ごろの移築となる。

例祭は10月21日で、10月第3日曜日には氏子祭が行われ、江戸時代中期より続く金剛流家元による奉納舞がある。

境内社に、天満宮、稲荷社、向日社、西ノ宮社、春日社がある。飛地境内社として大原野大字出灰に住吉社があるという。

なお、当社は1月に行われる近隣21社からなる乙訓鎮座神社巡りの一社である。

【ご利益】
五穀豊穣・商売繁盛、厄災除け、事業成功、家内安全
大歳神社 京都府京都市西京区大原野灰方町
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