日枝神社と深い関わり、山王社の内陣、畳2畳の山王祭描いた大絵馬
[住所]東京都杉並区本天沼2-14-10
[電話]03-3390-4630

本天沼稲荷神社(ほんあまぬまいなりじんじゃ)は、東京都杉並区本天沼にある神社。現在は天沼熊野神社の兼務神社。御朱印の有無は不明。

天沼熊野神社では御朱印を停止しているため、当社も授与していない可能性が高い。

創建年代は当社の別当職をつとめていた蓮華寺の過去帳の記載から、慶長年間(1596年-1615年)とも考えられている。御祭神は保食神。現在、例祭は10月10日。

その後、当地の天沼村が赤坂山王社(現 日枝神社)の領地になり、稲荷信仰が広まった。後述するように、山王社との関わりが深い神社である。

『新編武蔵風土記稿』天沼村にも「稲荷社」とあり、「除地百五十坪、小名本村にあり。此所の鎮守なり。本社三尺四方、上覆二間に三間」と記載されている。

明治初年(1869年)には本殿を山王社の内殿を譲り受けて移築した記録がある。その棟に「葵」の紋が確認され、徳川将軍家に崇敬された山王社のものと実際に判断された。

その後も社殿は改築を行ったが、平成15年(2003年)に新しい社殿が造営された。 天沼村字本村、旧天沼3丁目、現在は下井草や清水の一部を含む鎮守。

もとは天沼稲荷神社と呼ばれていたが、この町名変更に伴い、社号にも「本」が付いた。現在の天沼ではなく、本天沼に鎮座する。

文化財として、山王社の内殿移築と同じ頃に奉納された山王祭を描いた畳2畳ほどの大絵馬がある。板絵着色祭礼図 1面として、区指定有形民俗文化財。

横長の画面には幟を立てた社殿、赤丸に「天」と染め抜いた半天を着た人々、裃姿の武士、そして山車上の囃子方など、祭礼の情景が生き生きと描かれている。

作者の「陸斎」は不詳、画面の「玉村作」は裏面の墨書から額師と考えられる。祭礼の情景を描いた区内唯一の絵馬で、また絵師、額師名も記された貴重なもの。

他に、江戸時代後期の弘化5年(1848年)2月奉納の大幟、文政6年(1823年)4月銘の手洗水盤などがある。境外社に、猿田彦神社・市杵嶋神社・三峰神社がある。

【ご利益】
五穀豊穣・商売繁盛、地域安全、家内安全(公式HP
本天沼稲荷神社 東京都杉並区本天沼
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