『万葉集』所載の日本武尊が飛来した鷺坂山、室町期本殿
[住所]京都府城陽市久世芝ケ原142
[電話]0774-52-3960

久世神社(くぜじんじゃ)は、京都府城陽市久世芝ケ原にある神社。近代社格では郷社。御朱印の有無は不明。

創祀・創建年代は不詳。旧久世村の産土神で、御祭神は日本武尊

伝えによると、御祭神の日本武尊は死後、西に白鷺となって飛び去り、その鷺が留まった地を鷺坂山と言い、この地に祀ったのが始まりとされる。

『万葉集』で柿本人麻呂によって詠われている「白鳥の鷺坂山」はこの地のこと。柿本人麻呂の時代にはすでに当地と日本武尊が結ばれて考えられていたことになる。
白鳥の 鷺坂山の 松蔭に 宿りて行かな 夜も更けゆくを

細領巾の 鷺坂山の 白つつじ 我れににほはに 妹に示さむ

山背の 久世の鷺坂 神代より 春は張りつつ 秋は散りけり
境内には、白鳳時代の久世廃寺跡があり、鷺坂を300メートルほど上ったところには、奈良時代の久世官衛遺跡があって、古代には相当に栄えた地。

当社の後方の丘陵には芝が原古墳群があり、北方500メートルのところには、全長272メートル、墳丘180メートルの南山城最大の前方後円墳「車塚古墳」がある。

古墳時代中期のもので、国の史跡に指定されているが、『日本書紀』に記載のある栗隈氏関係の遺跡と推定されている。

当社はもとは華霊天神、若王社といったが、明治維新を経て、現社号に改称された。明治7年(1874年)、郷社に列した。

現在の本殿は、室町時代の中期から末期の建築で、朱塗りの一間社流造、檜皮葺、柱上部や租物などを極彩色仕上げした華やかな外観。国の重要文化財に指定されている。

例祭は10月7日で大祭。これに先立ち、10月5日・6日の両晩、久世南垣内の御旅所において、迎火として大篝火が献じられる。

4月に春祭り、8月に夏祭りがあり、12月にはお火焚祭がある。

境内末社に、竜王神社(級長津彦命・級長津媛命)・稲荷神社(倉稲魂命)がある。小規模ながらしっかりとした銅葺一間社流造の2宇の社殿が並ぶ。

【ご利益】
交通安全、旅行安全、地域安全、病気平癒
久世神社 京都府城陽市久世芝ケ原142
【関連記事】
京都府の神社 - 本サイトに掲載されている神社で、京都府に鎮座している神社の一覧