勝間「上の天神」、だいがくとかぼちゃ、セーマンドーマン
[住所]大阪府大阪市西成区玉出西2-1-10
[電話]06-6659-2821

生根神社(いくねじんじゃ)は、大阪府大阪市西成区玉出西にある神社。近代社格では村社。通称は上の天神である。参拝すれば、御朱印を頂ける。

創祀・創建年代は不詳。一帯は住吉大社の神領だったことから、その摂社だった奥の天神・生根神社から、少彦名神の御分霊を勧請して玉出の産土神としたのに始まったという。

また、それ以前から蛭児命を祀っていたとも。洪水で流された西宮神社の御神体が当地に流れ着き、これを祀ったというもの。

西宮神社に御神体を返還した後も分霊を奉祀したのが当社の創建だという。

玉出の古名を勝間(こつま)村といい、勝間とは本居宣長の著作の名前で知られる玉勝間(たまかつま)と同じ意味、籠・かごめかごめ・船・網などと考えられている。

古代、海浜であった当地の歴史的な名前で、近隣にある阿倍王子神社の縁起にも同社の位置を示す文言として「玉勝間の艮」という表現で登場する。

阿倍王子神社と勝間村の位置関係は、セーマンドーマン模様で、セーマンが五芒星(および安倍晴明)、ドーマンが籠(および蘆屋道満)を表現しているという説がある。

セーマンドーマンから、当社も海人族の呪術に由来する可能性が指摘される場合がある。

当地の名産だったのが、小ぶりで、色の濃い、味わい深いかぼちゃ「こつま南瓜」。それを記念した「こつま南瓜塚」がある。

江戸時代の大坂では、天王寺蕪と並んで有名ななにわ野菜だった。勝間商人によって、勝間街道を使って大坂まで行商された。

中風除け、風邪除けとして冬至にはよく食べられ、当社でも冬至に「こつまなんきん祭」として、蒸しかぼちゃを参拝者に振舞う「こつま南瓜蒸し」神事が行われる。

当日はなにわの伝統野菜から作った飴や、こつま南瓜が原料の焼酎も販売される。

また、こつまなんきんとは、幼い海女の様に、色が黒く、小柄で、体のよく締まった、肌理の細かい女性を、閨房でもてはやす言葉としても知られている。

今東光は著作『こつまなんきん』、それを原作とした瑳峨三智子主演で女性の愛欲を描いた映画『こつまなんきん』『続こつまなんきん』という作品がある。

明治初年(1868年)、大坂の筑前屋敷に祀られていた筑前天満宮(菅原道真公)を合祀した。上の天神の通称はこれより始ったと考えられる。

昭和20年(1945年)3月14日の大阪大空襲で被災し、社殿が焼失したが、御神体は速やかに住吉の生根神社へ移され、無事だった。

戦後、仮社殿を造った後、昭和41年(1966年)10月に鉄筋コンクリート建築の社殿や社務所などを復興した。

当社には、「だいがく」(台楽、台額)が伝えられている。古来から雨乞い神事に使用された、高さ約20メートルの柱に約70個の提灯を飾り付けた櫓のことである。

かつては大阪市南部周辺の神社にも「だいがく」があったとされている。しかし、疎開によって難を逃れた当社以外のものは第二次世界大戦の戦災で焼失。

この「だいがく」は府の有形文化財に指定され、指定記念として中だいがくと女性だいがくが新造された。

現在、7月24日・25日に行われる夏祭り、別名だいがく祭りの2日間のみ公開される。

夏祭りには浜村淳が毎年参加しており、平成22年(2010年)には自ら奉納した下記の俳句の石碑が建立された。
いざうたえ だいがく音頭に 夏の月
夏祭やこつま南瓜祭りの他、2月3日には節分として、火焚き神事・厄除神事がある。ゴマ木または火焚木が頒布され、お願い事を書いた木を焚き上げる。

境内には他に、大楠社(三輪明神・大楠龍王・金森大神)・稲荷社(宇迦之御魂神)・由加神社・有喜戎社があり、龍王石・神牛・かえる石などが安置されている。

【ご利益】
地域安全、病気平癒、商売繁盛、学業・受験合格(公式HP
生根神社 大阪府大阪市西成区玉出西
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生根神社 大阪府大阪市西成区玉出西の御朱印