奈良朝創建の竈の神、水戸城鎮守を合祀、光圀観賞の大戸のサクラ
夷針神社 茨城県東茨城郡茨城町大戸1768
[住所]茨城県東茨城郡茨城町大戸1768
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夷針神社(いしみじんじゃ)は、茨城県東茨城郡茨城町大戸にある神社。御朱印の有無は不明。

延喜式』巻9・10神名帳 東海道神 常陸国 茨城郡「夷針神社」に比定される式内社(小社)の論社。近代社格では村社。

社伝によれば、創建は奈良時代の神亀2年(725年)9月29日。御祭神は、澳津彦命澳津姫命

社名「夷針」は、「いはり」「いしん」「いしむ」「ひなはり」などとも読まれる。

夷針の神は、いわゆる竈(かまど)の神で、霊験あらたか、守護安泰を司る神とされる。古<から庶民の信仰を集めたという。

室町時代の応永33年(1426年)6月、水戸城が攻略されると、城の鎮守だった武隈明神が合祀されて、当社は武隈明神社・両社大明神とも呼ばれた。

現在までに、武三熊大人・興玉命を配祀する。明治45年(1912年)4月、村社に列した。例祭は2月11日。

境内社に、素鷲神社(そがじんじや。建速須佐之男命)、疱瘡神社などがある。御神木はスダジイ。

境内近くには、徳川光圀も観賞したと伝わる樹齢500年という「大戸のサクラ」がある。国の天然記念物に指定されている。

大正時代の始め頃には枝が大きくはりだし、その広さは300坪もあったといわれている。現在は、全株の根元の周囲は7メートル、高さ約15メートル。

現在も、花の咲く4月中旬には遠方からの観光客が訪れる。

なお、式内社「夷針神社」の論社は他に、笠間市泉の愛宕神社の境内にある飯綱神社、石岡市小屋の足尾神社、かすみがうら市の西野寺の胎安神社、東野寺の子安神社がある。

【ご利益】
竈の神、火防、家内安全、厄災除け、病魔退散
夷針神社 茨城県東茨城郡茨城町大戸
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