小田連の祖の物部氏を奉斎、天野大社に匹敵、江戸期再興
小田神社 和歌山県橋本市高野口町小田76
[住所]和歌山県橋本市高野口町小田76
[電話]0736-33-3813

小田神社(おだじんじゃ)は、和歌山県橋本市高野口町小田にある神社。御朱印の有無は不明。

延喜式』巻9・10神名帳 南海道神 紀伊国 伊都郡「小田神社」に比定される式内社(小社)。近代社格では村社。

創祀年代は不詳。饒速日命の十三世孫である物之部武彦命(物部建彦命)を主祭神としている。物之部尾興連の弟で、小田連などの祖。

『延喜式』神名帳では、紀伊国および伊都郡の筆頭であり、天野大社とも呼ばれる丹生都比売神社より先に記載されている。

『紀伊国神名帳』には、「従五位上小田神」の名で神祗官の幣例に預かる官知神として伊都郡内5社の中に列している。

往古、神域は4町四方もあったと伝えられるほど、広大かつ立派な社として、その尊厳さは他社に及ぶものがなく、朝野ともに尊敬の深い大社だったという。

しかし、数度の兵乱のため、社殿や宝物を失い、社地も荒廃して木陰に仮殿を設けて奉斎されるほどまで衰退した。

江戸時代になり、紀州藩祖である徳川頼宣が天和年間(1681年-1684年)に旧境内本殿の跡に石の宝殿を建て、当社号を刻んで後世に伝えさせた。これが現在の御神体となっている。

さらに、江戸屋五兵衛という町人が御神燈を献納したり、高野山から「式内社方角案内」の額が奉納されたりした。

江戸時代末に刊行された『紀伊名所図會』の当社の項に、次の2首が掲載されている。
読人しらず
守ります 小田の御神の 恵みとも しらでやしづが をしねかるらむ

小田牛雄
玉だれの をだの宮居は あれにけり 昔にかへす ますらをもがな
明治6年(1873年)4月、村社に列し、高野口町大字小田の氏神として現在に至っている。

現在までに、厳島神社(市杵島姫命)・八幡神社(誉田別尊)・三大神社(大日孁尊)・牛頭神社(素盞嗚命)・稲荷神社(倉稲魂命)・大将軍神社(日本武尊)を合祀している。

境内社には、稲荷神社(倉稲魂命)・國保食神社(國保食命)・香津知神社(香津知命)・猿田神社 (猿田彦命)がある。

例祭は10月31日。祭礼の際の競馬は近郷の呼び物だったというが、今はその面影すら残していないという。

【ご利益】
一族・子孫繁栄、地域安全、家内安全
小田神社 和歌山県橋本市高野口町小田
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